デルタ株もいつの間にか蔓延…医師警鐘「ラムダ株もすでに市中感染している可能性」
画像を見る 東京都文京区の順天堂医院で、重症患者をケアする看護師(写真:共同通信)

 

■懸念される“悪いとこどり”の変異株

 

次々と日本で流行する変異株。東北大学災害科学国際研究所で災害感染症を専門としている医師の児玉栄一さんは、複数の変異株がまん延すること自体に、強い危機感を抱いている。

 

「たとえば、X型というウイルスとY型というウイルスに同時に感染してしまった場合、まれにXY型という、全く新しいタイプの“混合型ウイルス”が誕生することがあります。X型とY型のそれぞれの特性を引き継ぎ、病原性が強くなる可能性も。インフルエンザでは、実際に起きている現象です。流行する変異株の種類、そして感染者が増えれば、ハイブリッド型の変異株が誕生する確率が高くなってしまいます」

 

こうした事態を防ぐためにも、変異型の発見に注力するべきと、前出の佐藤さんが訴える。

 

「しかし、現在、病院で一般的に行われている検査では、一部のゲノムの情報しか見ません。たとえば、アルファ株は501Yという箇所に変異があるのですが、検査ではそこに異常がなければ、ほかの場所に変異が生まれていてもわからないんです。精度が高いゲノム検査という方法をもっと普及させるべきです」

 

現状の検査体制では、新しい変異株の誕生はもちろん、ラムダ株が上陸していた場合の市中感染の把握も困難だという。

 

無策な政府と、減る気配のない人流。日に日に、感染のリスクは増しているが、マスク、手洗い、ソーシャルディスタンスの徹底と基本に立ち返ってほしい。そしてラムダ株であっても、重症化のリスクを下げるのでワクチンは接種したほうがいいという。

 

現在の第5波、そして懸念される第6波を全力で生き延びよう。

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