■高度の耐性がある株が国内で広がる可能性も
さらに変異株は、日本でも軽症・中等症の患者を対象に実施が進められている「抗体カクテル療法」の効果にも影を落としかねないという。
「オランダとデンマークで、ミンクからヒトに感染したといわれるY453F変異の特徴は、抗体カクテル療法に高度の耐性があることです。この変異が入った株が、国内で広がる可能性も否定できません」(上さん)
こうした変異株の出現を抑制するには、何より感染者の数を減らすことが大前提だ。
「感染者を増やさないために必要なのは、徹底した検査とワクチンの両輪での対処です。第5波がピークアウトしたという見方もありますが、コロナは季節性で流行するため、日本では11月くらいから感染者が増え始め、第6波が来ると予想されます。秋はいったん小康状態となりそうですが(1)ワクチンの接種率を上げる、(2)学校や企業で徹底したPCR検査を行い、陽性者の早期の隔離をする、(3)仮に緊急事態宣言が解除されたとしても、3密のうちの“1密”も避けるなど感染対策を徹底するーーといったことが求められます。感染が抑制できなければ、さらなる変異株が出現するリスクが高まってしまいます」(上さん)
変異株ラッシュから命を守るには、感染対策を徹底するという、私たち一人ひとりの心がけが欠かせないのだ。
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