■ワクチン接種済みでも油断しないように
これに対し、飛沫の水分が蒸発し、ウイルスだけが飛沫核として残る状態を「エアロゾル」と呼ぶ。
「エアロゾルは直径5マイクロメートル(1マイクロメートル=1,000分の1ミリメートル)以下の極小のものです。乾燥して水分を含まず、粒子も小さいため、浮遊しやすい特徴があります。そのため、数十メートルも浮遊して感染する可能性があると考えられています」
しかもエアロゾルは、「3時間程度は感染性を有し、空気中を浮遊し続ける」ことも報告されていて、「特に密室において感染の確率が高まる」ことが指摘されている。
ワクチン接種を完了した人でも感染してしまう「ブレイクスルー感染」のリスクがあることを考えれば、制限が解除された街中において感染対策は欠かせないのだ。
制限が解除されたなか、可能な範囲でレジャーを楽しむためにはどういった点に気をつけるべきなのか。多くの人が楽しみにしている「外食」と「旅行」に焦点を当てて、対策が緩みがちなポイントを小川先生に解説してもらった。
【1】消毒アイテムは必携
外食に出かける際にも、アルコールティッシュ、消毒スプレーは忘れずに。
「こまめな消毒は感染予防の基本です。外出の際には必ず携帯するようにしましょう。人流の増加が予想されるため、不特定多数の人が触れる箇所には、一段と気を配りたいところです」
【2】店の入口で感染対策をチェック
飲食店を選ぶ際には、基本的な感染対策ができているかの確認を。
「消毒液は完備されているか、入口のドアは開放されているか、換気はできているか、座席の間隔を十分にあけているか、などに着目します。『感染対策は万全です』とうたう店舗も多いですが、客側も自ら確認することを忘れないようにしましょう」
そして、感染対策がずさんだと感じた場合は「次からはその店に行かない」「店を出る」という判断も大切だという。
【3】我慢してマスク会食を
「毎朝の検温は日課にしたうえで、入店時に、非接触の体温計の前で立ち止まる習慣をつけましょう。そして、つらいかもしれませんが、感染予防のためには着席後もマスク会食を勧めます」
お酒が進むと気も緩みがちに。会話をする際にはマスクを外さないように気をつけよう。
【4】大皿料理、ビュッフェは回避
「大皿料理の利用は基本的に避ける必要があります。ビュッフェ形式も同様。感染対策が取られていても、通常の食事に比べ、どうしても飛沫感染するリスクが高まってしまいます」