【Q3】世界で報告されているフルロナって何?
現在、インフルエンザと新型コロナウイルスに同時に感染する「フルロナ」が世界各地で確認されているという。
「同時期にはやっていれば、インフルエンザとコロナに同時感染する可能性はあります。1つ目のウイルスに感染しても潜伏期間中に外出していれば、2つ目のウイルスに感染してしまうケースもあるでしょう」(岡先生)
しかし、現実的にはこのようなケースは少ないと小川先生。
「イギリスで行われた’20年1〜4月の調査では『インフルエンザとコロナの両方の検査を受けた1万9,256人中、同時感染は58人だった』とされています。確率にすると0.3%。かなりまれだと思ってよいでしょう」
岡先生も、過度に心配する必要はないと語る。
「現在、コロナ対策によってインフルエンザ患者は全国で1週間に数十人程度(’21年12月27日〜’22年1月2日の全国感染者数は45人・厚労省発表)に抑えられています。いまのところ日本で『フルロナ』流行の心配はありません」
【Q4】コロナ禍はいつまで続くの?
小川先生は、オミクロン株のピークが「2月にある」と予測し、「暖かくなる4月には激減すると思います」と話す。
「すなわち、従来の季節性インフルエンザの流行と同じ状態に近づいていくと思われます。感染症は、いつかは必ず収束します。1918年のスペイン風邪も、国内で40万人近い死者を出しながらも、3年で収束していきました。『病いは気から』です。そのような日が来ることを信じて、前向きに正しく恐れて、感染対策を続けることが肝心です」
感染収束が見込まれる4月まであと、3カ月。そう遠くない夜明けまでもうひと踏ん張りだ。必要な感染対策を見極めて、大切な人の命を守りぬこう!
【PROFILE】
小川恭弘先生
高知総合リハビリテーション病院院長で感染制御ドクター。著書に『免疫療法を超えるがん治療革命』(光文社)など
岡秀昭先生
埼玉医科大学総合医療センター・総合診療内科・感染症科教授。著書に『感染症プラチナマニュアル』(メディカルサイエンスインターナショナル)など