熱中症で意識が…どうする!? 全国トップの湘南ER医師に聞く「命の緊急時」対処法
画像を見る 湘南ERの医師たち。左から、関根一朗先生、佐々木弥生先生、福井浩之先生、寺根亜弥先生

 

【突然の頭痛】⇒痛みの始まりが明確にわかるようなら要注意

 

「とくに頭痛が始まった瞬間を明確に覚えていたり、今まで体験したことのない『人生最悪の痛み』に達する頭痛は精密検査を要する可能性が高い。たとえば『雷鳴様頭痛』と呼ばれるような強烈な痛みの場合は、救急車を呼びましょう」

 

<こんな時は病院へ>

□ 嘔吐した
□ 痛みが悪化している
□ ふだんと違う痛みを感じる

 

<こんなときは救急車を>

□ 意識を失った、意識の状態が悪い
□ 1分以内に人生最悪の痛みになった(「雷鳴様頭痛」という)

 

【脳卒中】⇒早期発見が大切

 

「脳卒中は発症してから早く病院に行くことで、治療の選択肢が増え、予後が変わります。以下の『FAST』でチェックして、あてはまる症状があれば、救急車で病院へ」

 

Face=顔のまひ(笑っても顔の片側だけ下がる、口角が下がる)
Arm=腕のまひ(両手を上げると片方だけ下がる、高さを維持できない)
Speech=言葉の障害(ろれつが回らない、言葉が理解できない、なかなか言葉が出てこない)
Time=時間(脳卒中は早期発見が重要。早ければ早いほど、治療の選択肢が広がる!)

 

ここ数年はコロナによる搬送も多く、湘南ERでは当然、コロナを想定した万全な受入れ態勢を敷いている。だが、それ以上に前出の関根先生が懸念しているのは、コロナにおびえるあまり、受診を控えてしまうこと。

 

「それによって命にかかわる疾患が見落とされてしまうかもしれません。今やコロナはどこにでも潜伏しているという認識で、病院はしっかりと対策をしています。ご自身が抱えている症状のために生活の質が下がった、ふだんの生活ができなくなっているというときは、病院を頼ってください」

 

実際、救急搬送されてから、もっと早くに来てくれていればというケースも少なくないそう。コロナ禍で、つい病院に行くのを恐れ、二の足を踏んでしまいそうになるが、今はほとんどの病院で対策が進んでいる。「命の緊急時」を未然に防ぐためにも、ふだんから病院を上手に利用しておこう。

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