コロナワクチン接種も自費に 画像を見る

「新型コロナの感染症法上の扱いを、『2類相当』から『5類』に引き下げることを求める声がありますが、8月22日、岸田首相は記者団に対し、こうした措置を『早急に方向性を示す』と語りました。それに先立つ19日には、加藤厚労相が5類に引き下げた場合、ワクチンの有料化を示唆。これまで実質、全額公費負担だったコロナの検査・医療費も、通常の医療のように自己負担になる見込みです」(医療ジャーナリスト)

 

新型コロナは現在、結核やSARSなどの「2類」相当に分類されているが、「5類」引き下げとなると、季節性インフルエンザと同じ扱いとなる。

 

その具体的な変更時期に関して、厚生労働省の関係者が語る。

 

「今年の秋に開催予定の臨時国会で、感染症法の改正が行われることが予想されます」

 

■入院費用も自分で支払うことに……

 

患者サイドにとっては就業制限、入院勧告、外出自粛要請などの行動制限がなくなる。また、濃厚接触者を特定する必要もなくなり、無症状者は一般的な生活を送ることになるだろう。

 

しかし、これまで無料だった医療費も、インフルエンザ同様に自己負担しなければならない可能性が高い。実際にどのくらいの負担がのしかかるのか。

 

コロナ患者に対応してきた杉原クリニック(神奈川県)院長の古川健司先生に費用を概算してもらった。

 

もし発熱や咳、喉の痛みなどの症状が出た場合や、家族に陽性者が出た場合となると、まず検査が必要だ。

 

「抗原検査は、自己負担3割の場合は1000円程度。診察料1000円前後もかかるので、実際には約2000円でしょうか。これがPCR検査となると、検査代(3割負担)が2550円ほどなので、診察料と合わせた窓口負担額は約3000〜4000円になりそうです」

 

陰性ならそれで終わりだが、陽性となった場合はどうか。

 

「軽症者であっても、症状を訴えていればそれに合わせて薬が処方されます。オミクロン株に多い症状である発熱・頭痛・倦怠感にはカロナール、咽頭痛にはトランサミン、咳にはメジコンが処方されるケースが一般的でしょう」

 

こうした代表的な症状で、コロナ陽性となった患者のケースを想定すると、負担する医療費は次のようになる。

 

【初診料】882円
【PCR検査(診断料含)】2550円
【処方箋料】204円
【薬5日分+調剤技術料など】600円

 

合計4236円の医療費がかかるという概算だ(すべて3割負担の場合)。

 

軽症であれば、5類に引き下げられても今までと同様に市販薬での対応も可能だ。

 

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