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《正直……、本当は悔しくて悔しくて……。何でコロナ? 何で? 何で? って。今だに、一人になっては涙してしまう……》

 

ボーカルダンスグループ・MAXのMINA(46)が、母の日の5月12日、自身のInstagramを更新。母の写真とカーネーションの画像をアップし、《私ごとですが、先日母が天国へと旅立ちました》と、3カ月近く前に母が新型コロナウイルス感染症で他界したことを明かした。

 

彼女の投稿によれば、今年2月に父から、〈お母さんがコロナで、救急車で運ばれて入院することになった〉と連絡を受け、その数時間後には、《今日一日持たないかもしれない》と告げられたという。

 

MINAの願いも届かず、罹患から約20日後に母は帰らぬ人に。

 

《今まで大病一つしてこなかった母。まさかの状況に心は全くついていけなかったです》と、今でも悔しさがぬぐえないでいるという。

 

2類感染症相当だった新型コロナが、季節性インフルエンザと同等の5類感染症に移行してから5月8日で1年が過ぎた。すっかり終束したかのようになっているコロナだが、実情は異なる。

 

■死亡者数は第7波に次ぐ3番目の多さ

 

厚生労働省が発表している人口動態調査や死亡診断書によると、“コロナ関連の死亡者数”は、今年1~2月だけで、すでに約1万人超。昨年12月から今年2月の“第10波”による死亡者数は、合計約1万3千人。最多の死者(約2万6千人)を出した第8波(2022年11月~2023年1月)、2番目(約1万6千人)の第7波(2022年7~9月)に次ぐ多さとなっている。

 

重症化率でも、新型コロナは2.49%、季節性インフルエンザは0.79%(いずれも60歳以上、厚労省調べ)と3倍以上の差がある。

 

現在、感染者が増加中の沖縄県で、コロナの外来治療にあたる曙クリニック(那覇市)院長の玉井修さんは、こう警鐘を鳴らす。

 

「当院でも連休明けから、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患がある方、妊婦さんなどの感染者が増えています。

 

MINAさんのお母さんのように、〈大病一つしたことがない〉元気な方でも、急変する可能性があるのがコロナの怖いところ。とくに高齢者や基礎疾患のある重症化リスクの高い方は、感染しない、させないように十分注意してほしい」

 

コロナ患者が増えているのは、沖縄県だけではない。

 

首都圏でコロナ患者の入院も受け入れている公平病院(埼玉県戸田市)院長の公平誠さんも、次のように続ける。

 

「当院でも、4月下旬まではコロナ患者が減っていましたが、5月13日時点では前週より2.7倍増加。今後、さらに増える可能性もあるので注意が必要です」

 

感染のピークから数カ月あとには、死亡者数増の波が来ることも予想される。前出の玉井さんが言うように、高齢者の場合、日ごろは元気でも過信は禁物だ。

 

「つい最近まで元気だった82歳の叔父をコロナで亡くした」という山梨県在住の竹田保さん(仮名)が、その経緯と、つらい胸のうちを本誌に明かしてくれた。

 

「叔父は、4月下旬にコロナに罹患しました。『感染したから、しばらくこちらに来ないで』と言われていたので、見舞いは控えていたんです。そしたら5月3日に突然、『他界した』と家族から連絡があって……」

 

叔父は、罹患後数日間、自宅療養していたが、体調が急変。搬送先の病院で亡くなったという。罹患から、わずか1週間ほどの出来事だった。

 

「叔父は、若いころからスポーツが大好きで、最近までゴルフにいそしんでいました。交友関係も広かったので、友人たちと会うなかで罹患してしまったのかもしれません」

 

竹田さんの親族には医療従事者もおり、日ごろから「5類になってもコロナはなくなっていない。弱毒化もしていない」と聞かされていたという。

 

このように、いまだコロナで死亡する人が減らないのはなぜか。前出の玉井さんは、こう分析する。

 

「現在でも、『発熱患者はお断り』という医療機関があるので、初動が遅れた結果、重症化してしまう方が出てくるのではないでしょうか」

 

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