南海トラフ巨大地震 2030年に発生確率が最速最大化!京大名誉教授が警鐘
画像を見る 日向灘地震で発せられた注意喚起は終了したが、巨大地震が起こる可能性はいまも続く(写真:時事通信)

 

■タワマンの揺れは激しく家具の固定は無意味なほど

 

さらに南海トラフ地震の場合、長周期地震動といって、強い揺れが長く続くのが特徴だ。

 

「都市が近代化したことで高層ビルが増えたため、これまで経験してこなかったような、新しい災害が発生しやすいです。

 

とくにタワマンの揺れは激しくなります。家具の固定も極論すれば無意味で、壁ごと壊れて、5~6m横に動いてしまいます。そもそも大きい家具は置かないほうがいいのです。エレベーターも要注意。大きな混乱が予想され、助けが来るまでに時間がかかることが予想され、最悪の場合はエレベーター内で餓死する可能性すらあるのです」(長尾さん)

 

経済的被害も人的被害も、甚大になる見通しなのだ。 経済的損失は、内閣府では220兆円を超えると試算。東日本大震災の被害総額16.9兆円の13倍以上。また、犠牲者総数(死者・行方不明者)は最大約32万人、全壊する建物は約238万棟、津波によって浸水する面積は約1千平方kmと、国では想定している。

 

「日本の総人口の半数、6千800万人が被災すると考えられているのです」(鎌田さん)

 

さらなる“想定外”に着目するのは、長尾さんだ。

 

「南海トラフ地震の後には富士山の噴火もありえます」

 

かりに、富士山の噴火が1~2週間続いたとすると、その間、東海道新幹線や東名高速など主要道路、空港も使用できない。支援物資などの運搬も滞ることになる。

 

「また、大都市圏に到達する火山灰は、非常に細かいガラス粒子で、電気を通します。パソコンなど精密機械類に入り込めば故障します。IT化された近代都市機能が麻痺してしまうことになるのです」

 

最悪のシナリオを念頭に、日ごろからの防災意識をより一層、高めておかなければならないのだ。

 

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