■アーバンベアに特化した対策が急務
各自治体が行っている対策を見ると、人とクマの生活圏を分ける緩衝地帯の整備、柿や栗の木といった放置果樹の対策など、「クマが市街地に出没しにくい環境づくり」が中心。それらの基本的な対策に加え、アーバンベアに特化した積極的な対応策が急務だと米田所長は話す。
「人に慣れたアーバンベアを優先的かつ徹底的に捕獲・駆除することが、今年の被害抑止において喫緊の対策です。たとえば、昨年被害が多かった秋田県秋田市は、秋田市上北手地区の川沿いの緑地などが、クマの市街地への侵入経路になっています。クマの市街地への主要侵入経路を特定し、そこに常設のワナである『捕獲ステーション』を配置し、常時稼動させること。出没のたびに捕獲ワナを設置するのではなく、市街地に入ろうとするクマを効率的に捕獲して、定住化を防ぐことが大切です」
さらに、クマ被害対策は、県内で完結できる体制を整備することが必要だと続ける。
「市街地のアーバンベア対応は、民間のハンターが行うのではなく、行政が担う『公の執行』として実施すべきです。他に仕事をもっていて、ある意味、本来は趣味団体として所属している民間のハンターが市街地で活動するとどうしても軋轢が生まれます。警察や行政、さらには退職警察官や自衛隊OBなど『県内の人材』を活用して、専門部隊を組織して、山は民間ハンターに任せて、市街地のアーバンベアは行政が取り組むべき。明確に役割をわけた対応が不可欠だと考えています」
宮城県仙台市のような人口100万人都市にクマが出没するのは、世界的にも日本だけ。クマの脅威が迫り緊張が高まる中、アーバンベアへの対応策が急がれる。
画像ページ >【写真あり】昨年秋、秋田県能代市で農作業用の小屋の脇の罠にかかったクマ(他2枚)
