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「『何を言うてんのや!』『アホかいな〜』というのも大阪の芸人さんが使う大阪ことばですけど、ドラマでのセリフは大きな商家の旦那衆たちが使っていた独特の商人の言葉。語尾に『〜だすなあ』とつけたり、お客さん相手ですから、とっても柔らかい言葉なんですね」

 

そう語るのは、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』で主人公あさ(波瑠)の義父・正吉を演じる近藤正臣(73)。豪商「加野屋」の先代当主で、商いに目覚めるあさのよき理解者であるが、注目されているのが、あさをやさしく包み込む大阪ことば。京都出身の近藤にとって、慣れ親しんでいる方言なのでは?

 

「それが微妙に違うんですよ。これまでも落語などで“ええ言葉やなあ”と感心していましたが、いざ自分でやってみると難しい。京都は『そうどすな』だけど、大阪は『そうだすな』。『ど』と『だ』の違いですけど、いつものクセでつい間違えてしまうんだすな。あっ、いま、ちゃんと言えてましたよねえ(笑)」

 

たった1文字の違いだけど、与える印象はがらりとかわってしまうもの。だからこそ、こだわりもある。撮影現場ではキャストのあいだで“標準語禁止”のルールもあるとか。

 

「撮影の合間、お茶を飲んだり休憩しているときでも、ふだんから大阪ことばでしゃべるようにしています。“ホウキで掃く”のホウキの発音がなかなか難しいみたいで、『そうそう、試合放棄のホウキや』って教えたりしています(笑)。このあいだも波瑠さんが大阪ことばのセリフをうまく使えたとき、チラリと僕のほうをうかがうんですね。上手だったから、こっそりOKサインを送りました。もうすっかりなじんできていますよ」