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「草刈(正雄)さんはじめ、堺(雅人)さん、内野(聖陽)さん、段田(安則)さんと大先輩方を従えて上座に座っていましたが、親の七光りにあらがう信忠と、一目おかれるようしっかりしなきゃという自分の思いが重なり、実は、現場では居心地がよかったんです」

 

そう話すのは、NHK大河ドラマ『真田丸』で織田信長の嫡男・信忠を演じた玉置玲央(30)。劇団「柿喰う客」メンバーで、新進気鋭の若手俳優だ。彼の舞台を見たNHKの若手スタッフから声がかかりオーディションで信忠役をつかんだ。

 

「『二代目の物語をちゃんと描きたい』とプロデューサーに言われていたので、“信忠が生きていたら織田家は変わっていた”であろう、と思わせる鋭さを持った信長の息子を演じたいと思いました。先輩方がいい緊張感と雰囲気をつくってくださり、僕は自分の芝居に集中させてもらえました」

 

父・信長を演じる吉田鋼太郎とは以前からつながりがあったという。

 

「僕に、お芝居で影響を与えてくれた役者の1人です。所属する劇団以外の舞台に出始めたころご一緒したんですが、憧れの人の前では身構えてしまっていて。鋼太郎さんから『腹を割れ。さらけだせ』とコテンパンに叱られたんです。でもそれは愛情だと感じました。その2年後、鋼太郎さんが僕の舞台を見に来てくれて、『玲央、よくなったな。説教したかいがあったな』と笑顔で言ってくれたことが、『やった〜』という思いと免罪符をもらったようでうれしくて。あの説教がターニングポイントでした」

 

そして今回、織田家の父子役での共演を果たしたのだ。

 

「撮影の合間に、『俺たち(親子なのに)似てねえよな』と笑って話ができたのもうれしかったです。信長が昌幸の前にす〜っと歩いてきて視線をぶつけあう場面は、僕も頭を下げながら見ていたんですが、『やっぱりオヤジ、カッコいい!俺はこの人の息子であり、後輩なんだ』と不思議な感覚になりました」

 

初めての大河ドラマ出演に、両親も喜んだそう。

 

「うちの親父からも『しかと見届けたぞ』とメールが来ました。昔、友達に“織田顔”と言われていたのを思い出して。自分でも『教科書の絵の信長に似ている』と写真を撮りました(笑)。織田家は滅びますが親子二代のテーマは各大名家や真田家を通して続くと思います。皆さんには頭の片隅に親子二代の物語を感じて見てほしいです」