猫の適正飼育を訴えるキャンペーン広告「にゃんぱく宣言」が7月1日に公開された。日本動物愛護協会の活動を支援するためにACジャパンが制作したもので、そのユニークさから大きな反響を呼んでいる。
「にゃんぱく宣言」はさだまさし(67)の「関白宣言」のように、猫から飼い主への“言っておきたいこと”を伝えるというもの。家の外に出して飼ってはならない、飼えない数を飼ってはならない、さらに猫にとって飼い主は生涯1人だけであるということを伝えている。またTVやラジオのCMでは実際にさだが歌唱する「にゃんぱく宣言」を聴くことができる。
ユニークな視点で猫の適正飼育を伝える「にゃんぱく宣言」は大きな話題となり、Twitterでは賛同する声が上がっている。
《“にゃんぱく宣言”いい歌だな 上から目線が猫らしい みんなが笑って過ごせるようにみんなで守りましょう!》
《猫飼としては泣けてくる どんだけ頑張っても20年ちょっとしか一緒に居られないかけがえのない小さな生命。大事にするしかない》
《うちの保護猫と重ねて泣いている。一生大事にします!》
飼育放棄され捨てられた猫たちは、保健所や動物愛護センターに引き取られる。それらの施設では譲渡先を探すことになるが、譲渡の難しい猫は殺処分となってしまう。
「女性自身」の別冊「ねこ自身」でもこれまで人間の勝手な行動で命の危険にさらされる猫たちや、彼らを見守る人々のエピソードを紹介してきた。
今年2月、本誌に登場したカメラマン・小西修さんは多摩川に住む猫たちの保護活動を30年間続けている。当時、“猫たちは人間から残酷な仕打ちを受けている”として小西さんはこう明かしていた。
「蹴飛ばしたり、石を投げるなんてざらです。飼い犬に猫をかみ殺させる人や、ゴルフクラブで顎を砕く人もいました。人に捨てられた猫の多くは飢え死にしますが、生き残った猫たちもそういう過酷な状況で暮らしています。その実態を知ったときに、放っておけない、と奮起しました」
仕事のある日以外は毎日、多摩川の河川敷を妻と2人で回るという小西さん。猫たちの治療費や餌代は、多い月で100万円近くかかることもあるという。小西さんは「ありがたいことに寄付をしてくださる方がいるので、それでまかなえるときもありますが、足りないときは貯金を崩しながらやりくりしています。物欲もないので、地味に暮らしていますよ」と語っていた。
また中川翔子(34)は昨年12月、本誌に登場し里親を探す猫たちと戯れることのできる“保護猫カフェ”を紹介している。“犬猫殺処分ゼロ”を願い、以前から寄付や保護活動などに携わっている中川は保護猫カフェについてこう語っている。
「保護猫カフェは、人間の勝手な行動のせいで悲しい思いをしてしまった猫たちに、『二度とそんな思いをさせないようにしたい』と、人間がまた愛情を注げる場所でもあります。そして猫ちゃんは、もう一度人間を信じようとしてくれているので、とても愛らしいんです」
中川自身も保護猫カフェで出会った2匹の猫の里親になり、家では計10匹の保護猫たちと暮らしている。「ここは猫と触れ合えるだけでなく、抱っこもできます」と話し「里親さんになることを考えてみてほしいです!」と呼びかけていた。
プロレスラー・長与千種(54)はペットの譲渡会を開催している。昨年12月、本誌に登場した長与は20年連れ添った飼い犬が亡くなったことをキッカケに譲渡会を始めたと明かしている。「目標は殺処分ゼロです。65歳を過ぎたころ、那須あたりに移住して動物がのびのび暮らせる大きな動物王国を作れたら」としたうえで、こう意気込んでいた。
「一匹でも多くの犬や猫に里親さんとの“シンデレラストーリー”を作りたい!」
殺処分は減少の傾向にあるが、まだまだゼロには程遠い。「にゃんぱく宣言」の反響でその啓発が広まることを願いたい。