3月4日に放送されたバラエティ番組『上田と女がDEEPにほえる夜』(日本テレビ系)で、「フェミニズム」をテーマにトークが展開された。そのなかで、番組MCを務めるお笑いコンビ「くりぃむしちゅー」上田晋也(54)の発言が話題を呼んだ。
番組ではまず、「性別による差別をなくしすべての人にとって平等な社会を目指す考え方」というフェミニズムの定義を紹介。そのほか、「(接客時のクレームが)男性社員を呼んだら止まる。女性ってだけでナメられる」という職場での体験や、「(フェミニスト)は過激系なんじゃないかな」と答えた世間からのイメージを聞いた街頭インタビューの映像が流れた。
スタジオでは、上田が映画コメンテーターのLiLICo(54)に対し、「性別によって不公平を感じたのはいつ?」と問いかけると、LiLICoは「18歳で日本に来て感じたのは、家庭に入らなきゃいけないから、やりたいことができなかったと人生の先輩たちがみんな言うのね。結婚して子育てをしなきゃいけなかった。仕事もしたかったけど許してもらえなかった」とコメント。
俳優のMEGUMI(43)は、同様の質問に対し、「子育てしてるとき、誰かに言われたわけじゃないけど、“自分がやらなきゃ”みたいな。自分が仕事を止めて、自分が買い物に行って、自分がおっぱいあげて、哺乳瓶洗って……。怒られないけど、やってないことに罪悪感がある。強制的に言われてないけど、自分でそうなってる」と打ち明けた。
そのほか、漫画家の瀧波ユカリ氏(44)は、「(幼少時に読み聞かされた童話は)必ず物語が恋愛、結婚に行き着く。どこから始めてもゴールが恋愛、結婚。それをずっと聞かされて育つんですよ、私たちは。結婚を刷り込まれて育つから、“我慢して私がやらなきゃ”ってなっちゃうんですね」と語っていた。
そして、MEGUMIから「上田さんはどうですか?男性として感じる部分は」という質問が飛ぶと、こう持論を述べた。
「古き良き昭和とか言ったりするじゃない。俺はあれ、良き昭和ってごく一部の男にとってだけ良かった時代って思うの。しかも発言力があったり、会社で地位が高い人にとっていい時代だったんだろうけど、それによって苦しんだ女性が相当数いたんだと思うし、それが根強く残って今も脈々と続いてる」
すると、スタジオの女性陣から「上田さんはフェミニストじゃないですか」「あら?フェミニスト上田?」といった声が起こり、上田は驚いたような表情を浮かべながら、「さっきのVTRで過激とか、怖いとか…、過激に言わないと気付かないと、あんたら気付かないじゃんって部分はあると思うの。女性がちょっと怖めに言って、初めて男側が話を聞くっていうね」とも語った。
こうした上田の発言はXでも話題を呼び、こんな声が上がっている。
《それこそテレビ業界長くいて古き良き昭和で利を得てきたような一部の男性と関わることも多かっただろうにちゃんとアップデートされた発言ができるの本当に賢い人の発言だなぁって思う》
《この番組を通してアップデートされてきたのかなと思うし、こういう意見が茶化されずに真っ直ぐ受け止められる場所がテレビにあることが嬉しい》
《上田さんの話、自身の実感として語られていたのがすごく良かったな、、 》
『上田と女がDEEPにほえる夜』では、ジェンダーやルッキズムといった近年の社会問題を積極的に取り上げているが、過去の放送回でも上田が持論を展開しつつ、女性側の意見に傾聴する場面があった。
「昨年10月放送回のテーマは『性的同意』で、上田さんは男性側が女性の心の内を理解すべきと訴えつつ、『女性は女性で、“男ってそう思ってるからね”って認識しないとダメだよ』と発言したところ、女性陣から『男性は襲う生き物だって言ってるようなもの』『脳みそがおかしい』と猛反論を受けたことがあります。
また、今回の放送では、LiLiCoさんが劇場に向かう途中にタクシーの男性運転手から『いいよな、女は昼間からタラタラと芝居観られるなんて』と告げられたという体験を告白。これに対し、上田さんは『かなりレアケースだと思うんですけどねぇ』と返しましたが、女性側からは『よくありますよ』という反応がありました。
上田さんは驚いたような顔をしていましたが、こうしたやり取りを通して自身の価値観をブラッシュアップしているのかもしれません」(女性誌ライター)
なお、放送に先がけて日本テレビがYouTubeで公開した動画では、報道局の白川大介プロデューサーが「日本テレビのバラエティ番組で、今週のテーマはフェミニズムですというのは多分初めてじゃないかと思います」と語っている。
今後も名司会者として、社会問題に切り込んでいく上田に期待したい。
