VOGUE JAPANの公式Xアカウントより 画像を見る

9月17日に発足した第2次高市改造内閣。閣僚18人のうち8人が留任させ、高市早苗首相(65)肝いりの政策実現に向け安定した布陣で新たなスタートを切った。

 

「高市首相は年内の安全保障関連三文書改定など防衛政策強化に前向きで、その点、留任させた小泉進次郎防衛大臣(45)のこれまでの仕事ぶりには期待しているのでしょう。三文書改定をめぐっては、防衛費増額が大きな焦点。16日の共同通信の報道によると、三文書の一つ、防衛力整備計画の案では、’27~’31年度の5年間で、相手のレーダーやミサイルなどの届く範囲の外側から対処する能力『スタンド・オフ防衛能力』の強化に、現行計画(’23~’27年度)の倍近い9兆円超が必要と試算。5年間の防衛費総額は70~80兆円(現行計画では43兆円程度)にのぼる可能性も指摘されています」(政治部記者)

 

このように政府が防衛費増額に大きく舵を切るいっぽう、反戦や平和、改憲反対を訴えるデモが国会前をはじめ各地で定期的に発生し、支持を集めてきた。4月に国会前で行われたデモには約3万人が現地参加(主催者発表)するなど大きなうねりを生み出し、それぞれの思いを記したプラカードやペンライトを掲げる参加者の姿は、大手紙を含む数多くのメディアで報じられた。

 

そして、それらメディアの中でも“異色”に映るのが、ファッション誌の『VOGUE JAPAN』だろう。ラグジュアリーブランドをメインに取り上げ、映画『プラダを着た悪魔』のモデルとなった世界有数のモード誌だが、最近は枠にとらわれない姿勢を見せていた。

 

たとえば、同誌のWEB版は今年4月と8月に公開した記事で、4月に国会前で行われた「平和憲法を守るための緊急アクション」や、今年6月に東京・渋谷のスクランブル交差点から始まったという新しいスタイルのデモを取り上げていた。

 

《残念ながら、戦争は常にこの世界で起きている。それが権力の暴走や不条理とともに、速度を上げて日本で暮らす私たちの足もとまで押し寄せてきている。「戦争反対」というシンプルな言葉、最低限の願いをあらためて口にしなければならない状況に、直面しているのだ》(4月4日:『光が、街を照らしている──「戦争反対」の声が集い、示される意思とは』)

 

《デモに参加する人々は声を上げるために集い、持続的な抗議活動を目指して創意工夫を凝らしている。私たちはその一人になることも、新たに別の運動を作ることもできるのだ》(8月2日:『ただ交差点を渡るだけ──渋谷スクランブル交差点デモが革新的な3つの理由』)

 

『VOGUE JAPAN』といえば日本でも有数のファッション誌として認知されてきただけに、「反戦」や「平和」といったスタンスを明確に打ち出したような記事は、SNSで驚きをもって受け止められたが、同時に連帯を示すユーザーも多く見られた。ところが、9月14日、同誌の人事に関して、ファッション系メディア『FASHIONSNAP』で以下のように報じられた。

 

《コンデナスト・ジャパンが、「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」の編集トップであるヘッド・オブ・エディトリアル・コンテント 林香寿美の退任を発表した》

 

林氏の退任は、VOGUE JAPAN紙面や運営会社「コンデナスト・ジャパン」の公式サイト上では伝えられておらず、現状は『FASHIONSNAP』の報道のみ。退任の経緯に関しては明らかになっていないのだが、Xでは報道をめぐって、先述した記事を配信していたことや1年も経たずに退任したことから、政権から“圧力”がかかり、林氏が職を追われたのではといった憶測が広がっていたのだ。

 

《VOGUE JAPANかっこえ!思ってた矢先。絶対政府からの圧力あったやんて思っちゃう、、、》
《反戦を訴えた途端にこれかよ》
《VOGUE JAPANのトップ退任が権力者の圧力によるものだとすればかなりやばい時代になっている》

 

日本において「言論弾圧」ともなれば、民主主義の根幹を揺るがす非常事態だが……。

 

「林氏がヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントに就任したのが今年1月、そして、報道によると、林氏は7月31日をもってコンデナスト・ジャパンを退社しているとのことです。確かに就任から半年ちょっとでの退任は早く見えるかもしれませんが、外資系出版社では珍しいことではありません。

 

また4月の記事は林氏の責任のもとで配信されていますが、8月の記事は退任時期からずれています。それだけではなく、VOGUE JAPANでは林氏の退任後、8月14~28日にかけて『「安全保障は、決して軍事だけでは守られない」──国際政治学者・三牧聖子さんと考える、平和のためにできること』『7,000件超の声とともに、過去・現在・未来を問いなおす──VOGUE読者と考える戦争と平和』と題した特集を組んでいます。ですから、一連の記事に圧力が働いた可能性はきわめて低く、今も平和や反戦という精神は同メディアに根付いているといっていいでしょう」(ファッションライター)

 

本誌が「コンデナスト・ジャパン」に対して林氏の退任の経緯について問い合わせたところ、返答はなかった。

 

なお、9月18日、『VOGUE JAPAN』のWEB版では、先述した記事の流れに続く『読者が語り継ぎたい思いとは。集まった7000件超の声──VOGUE読者と考える戦争と平和』と題した記事が公開され、寄せられたアンケートを踏まえて、平和とは《歴史を学び、考えること》《政治を監視し、声をあげること》といったことが書かれていた。編集長が変わっても、『VOGUE JAPAN』の姿勢は変わっていなかったようだ。

 

次ページ >【投稿あり】「政権の圧力?」VOGUE編集トップの退任にSNS懸念…配信していた「反戦」に関する記事

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー: