成底ゆう子 「泣ける歌」シンガーが最新シングルで開拓した〝新天地〟

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聴くと誰もが涙する〝号泣ソング〟として話題となったデビュー・シングル『ふるさとからの声』から、1年半。成底ゆう子のセカンドシングルは、プロデューサーに宮沢和史(THEBOOM)を迎え、天性の美声と歌唱力を武器に、新天地を開いた作品だ。

なりそこ・ゆうこ☆

75年12月11日生まれ、沖縄県出身。武蔵野音楽大学入学と同時に上京し、卒業後、声楽を学ぶためイタリアへ留学。帰国してソロアー
ティストとなる。10年、マキシシングル『ふるさとからの声』でメジャーデビュー。11年にファーストアルバム『宝~takara~』をリリース。

CD『溢れる愛のはじまり』

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キングレコードより、1,200円(税込み)で発売中

 

――希望に満ちたメロディーと、成底さんならではの美しい歌声が特徴の新曲ですが、あらためてご自身で聴いてみて、ご感想はいかがですか?
「私自身、こんなに優しくて繊細な歌声が自分の中にあったんだなと発見したくらい、すごく繊細な歌になっています。織物のように、ひとつひとつのフレーズをきれいに織って仕上がった作品だと思います」

――宮沢和史さんにプロデューサーを依頼された経緯を、お聞かせください。
「以前から、宮沢さんのつくる歌詞や曲、世界観が大好きだったんです。それで今回、ダメ元で『宮沢和史さんはいかがでしょう?』と自分から提案したら、引き受けていただきまして。『言ってみるものだな』と思いました(笑)。仕事をごいっしょするのがずっと夢だったので、喜びは大きかったです」

――憧れの方との共同作業の感想を教えてください。
image「もう、夢の中にいるようで、つねにテンションが高かったです。いっしょに仕事をしたことで、もっともっと、シンガーソングライターとして宮沢さんと近いステージに近づいて、また仕事ができたらいいなと思いました。夢を与えてくれる人ですね」

――宮沢さんはどんな方なんでしょうか?
「じつは今回、歌詞のメッセージ性を、自分の中でうまく消化させることができないまま、レコーディングの日を迎えたんです。宮沢さんは、そういう私の気持ちを汲んでくれまして『本を読み聞かせるように歌ってごらん』っておっしゃったんですね。それから、私の気持ちが180度変わりまして。宮沢さんは私自身が気づかなかった、優しい、繊細な歌声を引き出してくれました」

――レコーディングまで、歌い方にかなり悩まれていたということですか?
「ぜんぜん定まらなくて。どう歌っていいのか分からなくなっていたとき、宮沢さんが歌い手の気持ちをすごく察してくださって。宮沢さんのひと言で本当にガラリと変わりましたから、とても感謝しています。ますますファンになりました」

――成底さんと言えば、デビュー・シングル『ふるさとからの声』が、じわりじわりとヒットしていきました。今回、セカンドシングルをリリースするにあたって、前作のプレッシャーはなかったですか?
「ファンの方は、つねに成底ゆう子の歌を信じてくれているので、プレッシャーはなかったですね。自由に作らせてもらっています」

――曲を作るときは、どういう感じで作られているんでしょう?
「どちらかというと、集中型だと思います。作るときはガッツリ、3日間寝ないときもざらです。集中していると時間の感覚がないうえ、1回休憩すると、アイデアが抜けてしまう気がして」

――今回のシングルを作曲するうえで気をつけたのは、どういうところでしょうか。
「メッセージ性がとても強いので、お説教にならない、押し付けがましいメロディーにならないように、優しく語りかけるような曲と、心に寄り添えるような優しいメロディーにしました」

――『溢れる愛のはじまり』の楽しみ方を、ぜひ成底さんから教えてください。
「この曲は何度聴いても、自分の中で新しい発見があるんです。何回も聴いていくうち、その人のメッセージソングになるのかなということを感じています。ですからまずは聴いていただくため、多くのところに曲を届けに行って、聴いてもらいたいですね」

――成底さんは『インストアライブの女王』とも呼ばれていますが、今回もご予定はあるんでしょうか?
image「はい! 現在もどんどん決まっています。歌えるところがあるのなら、どこへでも行きます(笑)」

――シンガーソングライターとしての今後の夢はなんですか?
「挑戦したいなと思っているのは、恋愛の歌。あとは今回、宮沢さんに新しい部分を引き出してもらったように、自分の路線を決めず、いろいろな曲に挑戦していきたいと思います。あと、沖縄出身ではありますが、三線を弾かず、ピアノの弾き語りで民謡を歌うというのは、私の武器だと思っています。だから、今後も続けていきたい。と言いつつも、三線にも興味はあるんですが(笑)」

――成底さんが目指すのはどんなアーティストですか?
「いちばんの理想は『この詩って成底ゆう子じゃない?』『この曲って成底ゆう子じゃない?』みたいに、『成底ゆう子』というものが、みなさんの中で浸透しているアーティストです」

――セカンドアルバムも今年の冬にリリースされると聞きました。
「はい、そうなんです。今年の冬、発売予定です。いま、その制作をしているところです。リリースされたら、ライブもあると思います」

――最後に楽曲のPRをお願いします。
「この曲は、悲しみや苦しみを抱えていても、前向きに生きようとする自分をまず愛してほしい、という内容の歌です。何回もリピートして聞いていただきたくと、自分が励まされているような気分になれると思います。ぜひ聴いてください」

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