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やまだないと原作の同名コミックを映画化した『王様とボク』は、大人になりたくないという10代の若者たちの、青春物語だ。作品内でモリオを演じた菅田将暉は、この映画に出たことで「人生が楽しくなった」と繰り返す。

すだ・まさき★

93年2月21日生まれ、大阪府出身。09年、『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)で俳優としてデビュー。11年には舞台『タンブリング
Vol.2』で初座長を務めた。現在、ドラマ『サマーレスキュー~天空の診療所~』(TBS系)に出演中。13年夏公開の映画『共喰い』では主演を務め
る。

映画『王様とボク』

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監督/前田哲
キャスト/菅田将暉 松坂桃李 相葉裕樹 二階堂ふみ
9月22日(土)より、ユナイテッド・シネマ、シネマートほか全国順次ロードショー
(オフィシャルサイト)http://www.o-boku.com/index.html
(C)2012「王様とボク」製作委員会

 

――いま、金髪にされているんですね。
「ドラマの役のためです。ここまで金髪だと、何でもやれる気がして楽しいですね。まったく違う服にも挑戦ができたりして、心が自由になりました」

――映画を拝見しまして、フレッシュな面々が熱演しているのがすごく印象に残りました。菅田さんが作品をご覧になっての感想をお聞かせください。
image「この映画にかかわったことで、人生が楽しくなって、すごく前向きになりました。昔、役者の先輩に『お前、人生、楽しいか?』って聞かれたときに、答えられなかったんです。仕事で充実して、楽しかったんですけど、菅田将暉という役者としてしか過ごしていないと思って、その質問をされたとき、すごくモヤモヤしてしまって。それから1年ぐらい経ったとき、この映画に出会いました。それで、モリオの失われた12年間を考えると、自分にはちゃんと生きてきた12年間がある、それなら、何でも楽しもうという気になれたんです」

――原作は、やまだないとさんのコミックです。人気作品を実写化するということで、プレッシャーなどはありませんでしたか?
「実写の難しさは、登場人物のキャラクターを伝えきれるかどうかだと僕は思っているんです。でも今回はキャラクターより、モリオの置かれた状況や環境を、演技で伝えるのが難しいな、と最初に思いました」

――モリオは6歳のときの事故で眠り続け、12年経って目覚めるという少年です。役作りについては、監督と綿密に話し合いをされたんでしょうか?
「モリオという役は“ファンタジー”。現実にはありえないことなので、役を“作る”しかないですよね。監督から参考になりそうな作品を渡されたり、ヒントをもらって仕草やセリフを相談したりして、演じていきました。『こういうことがあったら、どうする?』という部分を伝えられるように気をつけました」

――実在した人ではないので、どう演じてもいいという見方もありますよね。
「あ、たしかに。それもあってか『何をやってもOK』と、監督からも言われました」

――映画単独初主演ということですが、終えられての感想は?
「うまい言い方が見つからないんですけど、すごく贅沢で、すごく幸せでした。役が魅力的だったので、演じるのも楽しみで仕方なかったです。本当にこの役に出会えて誇りに思います」

――撮影当時は、菅田さんもモリオと同じ18歳でした。菅田さんの18歳はどんな1年でしたか?
image「必死でしたね。毎日、お芝居、お芝居で。プライベートというものの重要さをあまり意識していなくて。この映画に出たことがきっかけで、毎日を充実させようと思いました」

――映画では登場人物全員が、子供から大人へなる移行期間で「大人になりたくない」と戸惑っていましたが、菅田さんはそういうことはなかったですか?
「僕は、昔から『大人になりたい、年を取りたい』と思っていましたね。さっき、高校3年生の3人に取材を受けたんですけど、3人とも『大人になりたくない』って言っていて。僕は真逆だったので、話していて面白かったですよ」

――「早く年を取りたい」派なんですね。それはなぜですか?
「『大人になりたくない』という気持ちは、すごく共感はできるんです。でも、大人になればなったで、別の楽しみが出てくるでしょ。僕は過去よりも未来に目を向けるタイプなんです。早く年を取って、自分の孫とかを見たいなって思います(笑)」

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