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「大河ドラマなんて、一生縁がないと思っていました。“秀次さん”って、街で知らない人から声をかけられる日がくるとは、今でも信じられない(笑)」

 

こう語るのは、NHK大河ドラマ『真田丸』で、豊臣秀次を演じる新納慎也(41)。その強烈な個性と確かな演技力で多数の舞台作品で活躍し、本作で大河に初挑戦。彼が演じる秀次は、屈託のない人だが、政治や戦の場では少々頼りない男。視聴者からは、親しみをこめて“アホぼん”と呼ばれている。

 

「秀吉から太閤検地について聞かれ、『いろいろわかります』って、あの答え。三谷幸喜さんの台本にしてやられましたね(笑)。千人斬りなどの悪行で“殺生関白”と呼ばれた人とはとても思えない。三谷さんに、『今の秀次のどこにそんな要素があるんですか?』と質問したら、秀次のそういう部分を描くつもりはない、と。ただ、『飄々と、繊細に演じてください』と言われました。だから、僕の秀次のテーマは、『飄々と』です。僕自身も、物事をあまり深く考えるほうでなく飄々としているので、そこは秀次と似ていますね(笑)」

 

その三谷とは、舞台『TALK LIKE SINGING』で香取慎吾らとオフ・ブロードウエー(小劇場)デビュー。“ミュージカル界の異端児”と呼ばれる彼にとって、三谷はどんな存在?

 

「オリジナルのミュージカルで、ブロードウエーに立てる人はそういない。僕の役者人生において、ここぞというときにやってきて、『この道を進みなさい』と方向性を変えてくれる人です」

 

さらに、今回は、映像の楽しさを初めて体験できたという。

 

「撮影中、マイクが僕の心臓音を拾ったんですよ。ドクドクドクドクッて速く打つ音を。それが僕の最後のシーンであり、秀次が絶命する瞬間で、自分自身、感情を制御できなくなってしまった。舞台は、稽古中にそういうことがあっても、それを本番で再現することはなかなかできない。ところが今回、1回きりの奇跡を本番で出せて、これが役者としての快感だ、と。映像って素晴らしいと初めて思うことができた」

 

最後に、秀次の今後の見どころは?

 

「信繁とのラストシーンですね。演じていて泣きそうになっちゃって(笑)。秀次としても信繁への感謝の気持ちがあふれ、それとリンクして僕自身の堺さんに対して感謝の気持ちがあふれすぎちゃった。堺さんには、本当に助けてもらったので、そういう感情が相まっていいシーンになったと思います。秀次がふと笑う表情の裏にはどんな感情があるのか?注目してください」

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