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芸能スキャンダル、停滞する経済、横暴な政治……。一年を表す漢字は「金」だったものの、’16年の日本は、明るいニュースばかりではなかった。そんな日本を叱咤激励するのは、寄る年波をものともしない“最強のご長寿”たちだ。80歳、90歳を超えても“バリキャリ”道を突き進む彼女たちの、身をもって経験したからこその主張とは−−。

 

「今のお笑いはお笑いじゃないね。昔はね、何をするにしても、“年季”というものが感じられたんですよ。私が子どものときは、中学に上がるなんてよほどのお金持ちか余裕のあるおうちの子どもだけでした。だいたいは小学校までしか行けなかった。貧しい家の子は、みんなどこかに奉公に行ってたの。その奉公先で、上にいる人から怒られ、殴られながらいろんなことを覚えていった。今の人たちは、そういう経験がありません。お笑いもそうで、人生経験という粋な味もおかしさもないからね」

 

こう語るのは、御年94歳、現役漫才師として毎月多くの舞台に立ち続けている、お笑い界の大御所・内海桂子師匠。お笑い芸人をテレビ番組で見ない日はないほど、いまのお笑いはテレビが中心。しかし、この風潮に対して、「ただ笑わせようとするのは笑いじゃない」と、異論を唱える。

 

「たとえば、苦労した話をネタにした場合、聞いてるほうも同じような苦労をした経験があれば、“なるほどな〜”と思って、笑いが生まれる。でもいまは、何も経験してない人が、何も経験していない人に話して笑いを取ろうとする。“ここで笑わなきゃダメ”みたいに、無理やり笑わされている感じがするね。そもそもお笑いというのは、おかしいことを言ったから笑うというものじゃないんですよ。無理やり笑わせようとすると、結局えげつないことを言ったり、やったりするしかなくなるんですよ」

 

桂子師匠は、「芸をするにしても、2〜3年じゃ銭は取れない。最低でも10年以上は修業をしないとダメ」だと話すいっぽう、漫才をもっと面白くするためには、「時代をつかむことも大切」と、次のようにアドバイス。彼女自身、ツイッターを頻繁に更新、現在フォロワーは約15万人!

 

「今起きていること。みんなが知ってること。今朝あった出来事をそっくりネタにして出せばいい。ただし、その人だけの感性で時代をつかむことがいちばん大事。ほかの芸人とは違うつかみ方で勝負することだね。いまはお客さんも、時代に対する感性が鋭いから。そうすると見る側も、“なかなかすごいじゃね〜か”ってなるよ」

 

桂子師匠は「とりあえず100歳まで舞台に立ちたい」と、ますます意気を見せる。

 

「舞台の上で目をつぶりたいね。あら、あのばあさんどうしたの?って。最後に『頼むよ』と言って、そのまま逝っちゃいたいね(笑)」