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「今回の作品は、実在の人物の生涯を丹念に描いたという意味では初めての挑戦。困難も多かった作業ですが、描き終わった今、私の代表作になったと感じています」

 

そう語るのは、漫画家・桜沢エリカさん。7月2日に発売となる最新刊『バレエで世界に挑んだ男[スタアの時代 外伝]』(光文社)は、“知る人ぞ知るバレエ界の偉人”故・佐々木忠次さんを描いた物語となる。

 

佐々木忠次さんは、ミラノ・スカラ座など世界の超一流を日本に招く一方、世界の名門オペラハウスに自らのバレエ団「東京バレエ団」を率いて乗り込むなど、日本バレエ界に多大なる功績を残した伝説のインプレサリオ(興行師)。

 

桜沢さんが本作を描くきっかけとなったのは、’16年4月に亡くなった佐々木さんの評伝『孤独な祝祭 佐々木忠次~バレエとオペラで世界と闘った日本人』(文藝春秋)を読んだことだそうだ。

 

「佐々木さんの評伝が出版されたのを知り、すぐに手に取ったのですが、1,2ページ読んだだけで『私、描きたい!』と感じました。この本で、芸術や美しいものに対する佐々木さんの思いの強さを知り、『日本人みんなに知ってほしい』と強く感じたんです」

 

桜沢さんは生前の佐々木さんとの直接の面識はなく、「世界バレエフェスティバルのステージ上であいさつする佐々木さんを見た程度」であり、それゆえに描く難しさも多かったという。

 

「難しかったのは、創作的な要素を入れるさじ加減。バレエ界では有名人である佐々木さんのことを、お会いしたことがない私が描くのは大変で、基本的には『史実に忠実に』を心掛けました。それでもやはり『自分なりの思いを伝えたい』と考えて描いたシーンもあります。そしてそれらの描写は満足のいくものになりました」

 

本作を通じて、読者に伝えたいことを桜沢さんはこう語る。

 

「とにかく、日本の芸術にこれほど多大な貢献をした佐々木さんのことを、もっと多くの人に知ってほしいです。ドラマやドキュメンタリーなどでの映像化が実現して、さらに広い層に届くことになったらうれしいですし、この作品がそのきっかけになれたらとも思います」

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