介護する姪の葦笛るかさんも元タカラジェンヌ(撮影&取材:西松 宏) 画像を見る

今後、先進国では2人に1人が100歳まで生きるといわれる現代。ひと足先に長寿の楽しみを謳歌している先輩に長生きの秘訣を聞きました!

 

「100歳だなんてとんでもない! 誰が言ったのかしら? 私はまだ80代ですよ(笑)」

 

そうおどける大路三千緒さん(99)は、殿堂入りした元タカラジェンヌの中で最高齢のレジェンド。大正9年生まれ、昭和14年に宝塚少女歌劇団に27期生として入団。同期には越路吹雪、月丘夢路、乙羽信子らがいた。

 

男役から、娘役までさまざまな役をこなし、花組と雪組の組長を歴任。60歳の定年で退団後も、『おしん』など多くのテレビドラマで女優として活躍しながら、90歳まで宝塚歌劇団で演劇指導もしていた。

 

現在は兵庫県宝塚市内の介護付き老人ホームで暮らす大路さん。7年ほど前、自宅前のマンホールの上で足を滑らせ転倒。腰の骨などを複雑骨折したのがきっかけだったという。

 

「ここはとてもいいですよ。ワーワーいう人はいないし、静かだし」

 

新聞は毎日、朝と夕方に目を通し、字幕付きでテレビドラマを見るのが楽しみ。ご飯は1日3食しっかり食べる。

 

「なんでもよく食べますが、お肉が好きですねぇ」

 

宝塚時代の昔話を尋ねると、和やかな笑顔でこう答える。

 

「長いこと宝塚にいたわ。宝塚の舞台は飽きないの。でも、舞台の話はね、どこかに行っちゃった(笑)。ごめんなさいね、忘れんぼなの」

 

介護が必要な生活ではあるが、気持ちはまだまだ若い。これからの夢を聞いてみた。

 

「いい役がくれば、またやりたいわ! 自分に合った好きな役がきたら、またね……」

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