BTS苦闘の練習生時代 JUNG KOOK大きすぎるソウルに抱いた不安
画像を見る 15年から始めたシリーズ「青春3部作」でブレーク(写真:アフロ)

 

■通学のバスを降りたところをオーディションにスカウトされたJIN

 

’11年4月に練習生になったサブボーカルのJIN(29・本名=キム・ソクジン)は、グループのおっとりとした“長男”だ。1992年ソウル近郊の京畿道安養市の、仲のいい裕福な家庭に生まれた。

 

高校2年のときに、時代劇ドラマ『善徳女王』のキム・ナムギルの演技に感動して俳優を志した。そして建国大学映画芸術学部に入学して数カ月後のことだ。

 

「JINが練習生になったきっかけは有名ですよ」とキムさん。

 

「通学のバスを降りたところをビッグヒットのキャスティング担当者が見かけ、『こんな顔は初めてだ! オーディションを受けてください』とお願いされたんです」

 

しかし、生来のビジュアルと広い音域で合格したものの、すでに大学生の彼がダンスや歌で追いつくのは簡単ではなかった。おまけに「楽しくハッピーなのが一番」というJINの天真らんまんぶりは、周囲とぶつかることもたびたび。

 

性格が正反対のJIMIN(ジミン・26)からは「JIN兄さん、それは違います」と抗議され、RMからは、アイドルになる厳しさを説かれた。片やJINは、何事にも前のめりなRMに、みんなで協調することの大切さを話していたという。

 

そんなJINがメンバーに溶け込んだのは、宿舎での暮らしからだった。料理上手な彼は創作料理でみんなを喜ばせ、整理整頓でも感謝されたのである。

 

JINとは5歳も離れた“末っ子(マンネ)”JUNG KOOKがテレビ番組で語っている。

 

「JIN兄さんは、ふだんからふざけてばかりですけど、裏ではとにかく努力しています。ただそれを見せない。結果で表すんです」

 

■「初めてソウルに来たとき、大きすぎて怖かった」とのちに語ったJUNG KOOK

 

そのJUNG KOOK(本名=チョン・ジョングク)が、13歳にして練習生になったのは、JINの2カ月後だ。メインボーカル、リードダンサーを担当する彼の愛称は、“黄金マンネ”。

 

1997年、釜山広域市に生まれたJUNG KOOKは、幼いころから運動神経が抜群だった。中学2年のとき、K-POPの王様G-DRAGONの歌を聴いて音楽に目覚め、’11年にオーディション番組に出場。

 

予選で脱落したが将来性を買われて7つの事務所からスカウトされた。それぞれを見学中、RMのラップに鳥肌が立ち、ビッグヒットを選んだのだ。

 

「初めてソウルに来たとき、(街が)大きすぎて怖かった。どう生きていけばいいんだって」

 

すっかり途方にくれたことを、のちにJUNG KOOKは話している。当初は先輩たちから「歌ってみて」と言われるだけで、緊張のあまり泣きだし、年齢による序列の厳しい韓国の文化もあって、宿舎でのシャワーも、メンバーが寝静まってからそっと浴びたという。

 

’12年夏には、パンPdから「きみのダンスには感情がない。だから、見ていて何も感じない」と酷評された。実家に帰りたくなったが、代わりにロサンゼルスの有名なダンススクールに1カ月の留学をした。報道によれば、同行したソン・ソンドゥク振付師がこう語っている。

 

「JUNG KOOKは、留学でありえないくらい実力がつきました。1カ月といえど、覚悟を持って過ごした時間は凝縮されたもので、技術を学ぶというより、ダンスを感じてきたというのが正しいでしょう」

 

【後編】BTS苦闘の練習生時代 非公開練習生Vがデビュー危ぶまれたJIMIN救うに続く

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