「年を重ねるにつれ、シミやくすみが目立ってくるのは、細胞の酸化を抑える抗酸化力が落ちてくるのが主な原因。対抗するためには、抗酸化作用の高い食品を日々の食事に取り入れ、体の中からのケアも意識していきましょう」
こう話すのは、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生だ。夏といえば海水浴だが、今年はコロナ禍により海開きを中止した海水浴場も少なくない。“おこもりムード”が継続するこの夏は、外で紫外線を浴びる機会が減り、美白に磨きをかける絶好のチャンスといえそうだ。
「ただし、夏は室内でも紫外線には油断できません。紫外線は酸化の大きな原因。細胞の酸化とは体のサビともいえるもので、蓄積すると体全体の老化につながっていきます。紫外線を浴びてメラニンが発生し、シミやくすみができるのも、酸化ダメージの一つです。美白を目指すには、この酸化をブロックしなければなりません。若いときは体に備わった抗酸化力のおかげで乗り切れますが、30代後半からはその力が衰えてきます」
そこで、慶田先生が提案するのが、抗酸化作用の高い食品を積極的に取り入れた食事だ。
「栄養素でいえば、ビタミンA、C、E、そしてアスタキサンチンやリコピンのようなポリフェノール類。これらを豊富に含む食品を意識して取りましょう。抗酸化物質を多く含むのは、色素が濃く、カラフルな野菜と覚えると、食材選びに役立ちます」
その代表が、トマト、パプリカ、にんじん、かぼちゃ、なす、紫キャベツ、ブロッコリー、オクラ、モロヘイヤ、アスパラガス、いんげん、ズッキーニなど。
「肉では、鶏や豚のレバーにビタミンAが豊富です。魚なら、サーモンやエビはアスタキサンチンを多く含みます。アスタキサンチンは、サーモンや甲殻類などの赤い色のもととなる色素で、高い抗酸化力を誇ります」
フルーツやナッツ類にも抗酸化作用の高いものが多い。すいか、ブルーベリー、キウイフルーツ、オレンジ、グレープフルーツ、アーモンド、くるみなどを料理やデザートに取り入れて。
「ただし、オレンジなどの柑橘類は、朝食に食べるのは避けたほうがいいでしょう。ソラレンという紫外線吸収物質を含むため、日焼けを促進するといわれており、食べるなら日没以降の時間帯が安心です」
慶田先生おすすめの抗酸化作用の高い食材を使ったレシピを、料理研究家の木村幸子さんが考案。毎日の食卓に取り入れてみよう。
■サーモンとブロッコリーのバジル炒め
〈材料〉2人分
サーモン……2切れ
ブロッコリー……1/2株
赤、黄パプリカ……各1/4個
にんにく……1片
薄力粉……適量
バター……10g
A〔バジルの葉(みじん切り)……6枚、酒……大さじ2、レモン果汁……小さじ1、砂糖……小さじ1/2〕
塩・こしょう……適量
〈作り方〉
【1】ブロッコリーは小房に分けてゆでる。にんにくはみじん切りにする。パプリカは5mm幅の細切りにする。
【2】サーモンは皮つきのまま一口大に切り、薄力粉をまぶす。
【3】フライパンを熱してバターを溶かし、にんにくのみじん切りを加えて香りが出たら2を入れて両面焼き色がつくまで焼く。
【4】1の残りとAを加えて炒め、全体に味がなじんだら、塩・こしょうをして味を調え、器に盛る。
■すいかのシャーベット
〈材料〉2人分
すいか(果実部分)……300g
はちみつ……大さじ2
レモン果汁……小さじ2
ミント……適量
〈作り方〉
【1】すいかの種を取り除いて、フォークでつぶし、はちみつとレモン果汁を加えてよく混ぜたら、バットに流して冷凍庫に入れる。
【2】2時間ほどたって周りが固まりだしたら一旦取り出し、全体をよくフォークで混ぜ、再び冷凍庫に入れる。これを2〜3回繰り返す。
【3】器に盛り、ミントを添える。
「大事なのは、毎日続けること。紫外線による酸化ダメージをその日、その場で迎えうつことに意味があります。また、特定の食材に集中せず、複数の食材を組み合わせましょう。チームで働かせてこそ、効果が高まります」(慶田先生)
この夏は、おうちでおいしく美肌ケアを!
「女性自身」2020年8月11日 掲載