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「日本の分類では、畑で作る草本類は野菜です。そのため、いちごは野菜として分類されていて、全国の野菜の生産額でもトップクラスの重要な園芸作物です。いちごには多くの栄養成分が含まれていますが、なかでも注目すべきは、さまざまな種類のポリフェノールです」

 

そう語るのは、いちごの品種改良や、健康機能に富んだ品種等の育成に日夜取り組んでいる、農学博士の曽根一純さん。いちごには、見た目のかわいさから想像もできない、驚きの健康効果があるという。なかでも注目なのが、いちごに含まれるポリフェノールの高い抗酸化力。動物実験ではすでに効果が実証されており、現在少しずつヒト試験で試されてきている段階だそう。特に、中高年の女性にうれしい予防効果がてんこ盛り!そんな、いちごの効用をご紹介。

 

■強い抗酸化力で老化も風邪も撃退

 

いちごにはポリフェノールの一種であるアントシアニンやケルセチン、エラグ酸などの抗酸化性を有する成分が含まれている。なかでもエラグ酸とアントシアニンが強い抗酸化力を示している。ケルセチンには、抗酸化作用のほかにも血圧上昇抑制機能があり、高血圧の予防効果も期待できるという。また、血液中の尿酸値を下げる効果も報告されている。さらに、この季節もっともうれしい効果のひとつに、風邪などの感染症の重症化を低下させるという報告もある。

 

■エラグ酸&ビタミンで美肌&シワ予防

 

いちごには、美肌へと導く成分もたっぷり。まず、美白成分として知られるエラグ酸。シミを生成するチロシナーゼという酵素の働きを抑える力があるため、シミを抑制する効果が期待できる。このエラグ酸には美白効果のみならず、シワを予防する効果があるという研究例もある。さらに、ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、皮膚や粘膜の健康を保ってくれる。

 

「ご存じのように、いちごはビタミンCが豊富です。1個15グラム程度の果実7粒で、1日分のビタミンCの半分を摂取することができるんです。私たちが開発した『おいCベリー』という品種なら、7粒で1日分のビタミンCを取れますよ」(曽根さん)

 

■目にもうれしい、いちごの「赤」

 

いちごの赤色をつかさどっているのは、ポリフェノールの一種で天然色素のアントシアニン。植物が紫外線から実(身)を守るために蓄える成分で、視覚機能改善に役立つとされている。スマートフォンやパソコンの画面をよく見る人の目のピント調節を改善し、目の疲労感を軽減することが期待されている。

 

ほかにも、いちごにはペクチンや葉酸などが含まれている。ペクチンには腸内細菌状況改善機能もあり、整腸作用のある食物繊維も含まれているので便秘予防にも。葉酸は赤血球を作るのを助けてくれ、貧血防止にもつながる。中高年女性は毎日7粒ずつ食べて、ピカピカのいちごの実のようにみずみずしく生きるべし!

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