画像を見る

「“○○は△△に効く”と、その効果が有名な食材でも、意外と知られていない側面があります」

 

こう話すのは、管理栄養士で料理研究家の牧野直子さん。ひとつの食べ物にはさまざまな栄養素が含まれ、それらが互いに作用しあい、吸収を助けあって、私たちの体をつくってくれる。これまで私たちが信じていた「○○は△△に効く」という俗説の中には、その相乗作用を考慮しないまま、単品でよいと思い込んでいた食材も多いようだ。

 

「これまでの俗説でも栄養は十分にとれます。でも、もっといい食材もあるよ、という提案をさせていただきました」

 

そこで、牧野さんが「健康2択クイズ」を出題! 効果があると思っている食材、あなたの思い込みかも!

 

【Q1】イライラを抑えるには?

 

A:湯豆腐
B:牛乳

 

答えはA。「イライラにはカルシウム」はよく聞く話。牛乳にはカルシウムが多く含まれており、吸収率もよいので優秀食材だが、じつは、イライラにはマグネシウムも必要。豆腐など大豆製品にはカルシウムとマグネシウムの両方が含まれているので、一品で効率よく摂取できる。

 

【Q2】ぐっすり眠るためには?

 

A:ホットミルク
B:ホタテのカルパッチョ

 

答えはB。ホットミルクに含まれるトリプトファンというアミノ酸には、睡眠導入の働きがあるが、牛乳が体質に合わない人も。一方のホタテには、グリシンという眠気を誘うアミノ酸が多く含まれており、効率的に摂取できる。ゆっくり眠りたい日の夕食のメニューに加えてみて。

 

【Q3】血行を促進して体を温めるのは?

 

A:しょうが
B:唐辛子

 

答えはA。どちらも体を温める食材だが、唐辛子は辛味成分であるカプサイシンが瞬間的に体を温めるも、汗によって体を冷ましてしまう面も。辛さが苦手な人にとってもとりにくい食材。しょうがは薬味として食べやすく、辛味成分のジンゲロールが持続的に体を温めてくれる。

 

【Q4】ホットフラッシュやほてりに効くのは?

 

A:カキ
B:豆乳

 

答えはA。女性ホルモンの量が減る更年期には、イソフラボンを含む豆乳もいいが、更年期症状を抑えてくれる亜鉛、セレン、銅といったミネラル群も必要。これらが一度にとれるのが、冬が旬のカキ。カキフライやカキ鍋でホルモンの分泌と、精神的なリラックスも期待できる。

 

【Q5】腸の働きを助けるのは?

 

A:ヨーグルト
B:きのこのソテー

 

答えはB。ヨーグルトの乳酸菌は、毎日食べ続けることで腸活につながるが、食物繊維が足りていないと便の材料が少なくなり、逆に便秘の原因になってしまうことも。そこで、低カロリーで食物繊維を補いやすいのがきのこ類。その食物繊維量は全般的に見ると野菜より多い。

 

「『イライラを抑える』食品について言えば、カルシウムだけに着目すると牛乳のほうが圧倒的に多いですが、マグネシウムとのバランスを見た場合、豆腐のほうが優れています。もちろん、牛乳が悪いというわけではないので、お茶の時間にカフェオレで牛乳をとり、食事には豆腐を加えるなど、両方いただくことで効率よく必要な栄養をとることができます。また、これさえ食べ続けていればいい、という食材は存在しないので、バランスのよい食事を心がけましょう」(牧野さん)

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: