■スーパーなどでの新米の選び方は?
米作りをしていた親戚の手伝いで田植えや稲刈りなどの経験があり、米作りにも精通する管理栄養士の大槻万須美さんによると、チェックすべきポイントは3つあるという。1点目は一括表示欄だ。
「一括表示欄とは、米袋に表示が義務付けられている米の品質に関する項目をまとめた部分のこと。そのなかに単一原料米、あるいは複数原料米と書かれているところがあります。単一原料米は1種類の品種が入っているが、複数原料米であればお気に入り以外のお米も入っている可能性があるのでチェックを」(大槻さん、以下同)
2点目は精米時期の確認。
「精米後は徐々に品質が劣化していきます。いつごろ精米されたものかを確認しましょう」
3点目は米袋にある小窓から米粒の状態を見ることだという。
「小窓の部分から、濁ったような色や変色したお米、割れたお米が入っていないか、米粒が割れて粉っぽくなった部分が小窓などについていないかを確認するといいですね」
■新米を安く買う方法は?
高値になりそうな新米だが、安く買う方法はいくつかあるという。
「1点目はまとめ買いです。単価が下がることもあるのでお得になります」(大槻さん、以下同)
ただし、精米から1カ月以内を目安に食べきれる量を購入し、正しく保存しないと鮮度が落ちる。
「2点目は定期購入の活用。定期的にお米が届き、鮮度もよく特別価格で購入できる点で人気です」
ただし銘柄変更が難しい、手続きが面倒というデメリットも。 3点目は農家直送や、ふるさと納税の活用だ。
「生産者本人と直接契約をする農家直送や、ふるさと納税の活用も人気が高いですね。農家直送は中間コストがかからず、産地を選ぶ楽しみも味わえます」
この場合もデメリットはある。
「農家直送は送料が高い場合もあり、やめる際には気を使います。ふるさと納税はすぐ届かないこともあります」
また農家と直接契約をするECサイトから購入する方法もある。農家とのやり取りはハードルが高い場合、検討してもよさそうだ。ただし、信頼できるサイトかどうかをきちんと見極めて利用しよう。
「タイミングがよければ直売所や道の駅など、産地に近い場所だと安く手に入れられることも」
今年は特に新米が高いといわれているので、食べ方を工夫して。
「昔と違い、保管技術も進歩して古米でも十分においしい時代。そこで新米を購入したらまず新米だけでおいしくいただき、その後少しずつ古米と混ぜてみては。費用を抑えつつ、新米感も楽しめます」
■今注目されている新米のブランドは?
厳しい気象となった今年。そのなかで澁谷さんが注目しているのは2つのブランド。一つ目は、コシヒカリの地位を確立させた新潟県から誕生した「新之助」。
「大粒で甘味やうま味が強く、しっかりとした食感。コシヒカリとはまったく違う、新時代を感じさせるお米です」(澁谷さん、以下同)
もう一つは、栃木県から誕生した「とちぎの星」だ。
「大粒で炊いた後の粒はとてもふっくら。炊いた直後は弾力がありますが、冷めるともちっとした食感に変化。冷めてもおいしいです。暑さだけでなく、寒さにも強い珍しい品種。こちらも新時代を感じさせるという点で注目です」
■将来、輸入米で新米の価格は下がるの?
「米国からの輸入米には高い関税がかけられていますが、5キロの現在の価格相場は3500円程度。効率を重視し大量生産された輸入米は、高い関税を支払っても低価格で売れるだけのポテンシャルがあります」(折笠さん、以下同)
備蓄米が底をつき、新米が高値の場合、備蓄米と同等程度の価格帯の米はなくなってしまう。
「そのときに買いやすい価格帯の米として輸入米の需要は高まるのでは。輸入米が入ってきても新米の価格に影響しませんが、新米の価格や売れ行き次第で、輸入米の価格に影響を与える可能性はありますね」
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