近年の食生活の欧米化によって腸内環境は悪化し、昔より大腸がんが増加している。厚生労働省の発表では、平成15年に女性の死因ナンバーワンとなって以来、現在もトップを独走中。さらに増加傾向にあるようだ。

 

「今年7月、三重大学がわずか0.5ccの血液で大腸がんかどうかを判定する手段を確立し、話題になりました。大腸がん患者の血液は健常者と比べて、がん細胞が分泌する物質『miR-21』が、5倍も増加していたのです。早期発見が難しい大腸がんですが、今後は血液検査でわかるようになるかもしれませんね」

 

そう話すのは、「診察5年待ち」という順天堂大学教授・小林弘幸先生。大腸がんの他に、やはり食生活の変化によって増加しているのが大腸憩室炎。腸壁が外側に膨らみ、部屋のようになる疾患で、そこに便が詰まり炎症を起こすと激痛を起こすという。

 

「また、大腸の血流が悪いと、虚血性大腸炎といって炎症や潰瘍を発症。ちなみに小腸の血流が悪くなるともっと大変で、虚血性壊死といって小腸が腐ってしまいます」(小林先生・以下同)

 

それらの予防には、食生活を整えてお通じと腸内環境をよくすることが最重要課題だと小林先生はいう。血流の良しあしは腸で決まるもの。善玉菌が増えれば、がんやポリープの予防にもなるうえ、血流もサラサラになるという。

 

「そのためには一にも二にも食物繊維ですが、便秘になりやすい女性は、便が腸内で固まって出にくくなっています。この場合は、不溶性食物繊維より水溶性食物繊維を摂取したほうが、水分をたくさん含んでいるぶん、便を軟らかくしてくれるでしょう」

 

水溶性食物繊維が豊富なのは、わかめやもずく、里いもや長いもなどのねばねば・ヌルヌル系食材。とくにいも類はこれから旬を迎えるので、積極的に食事に取り入れたい。おいしく楽しく、腸のお掃除をしましょう!