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「病は気から−−。自律神経の研究をしていると、この『ことわざ』が、正しいと思うような現象とよく出合います。不安を抱えることで血流が悪くなったり、怒りが自律神経のバランスを崩したり。つまり『感情』と『健康』は切っても切れない関係なのです。日本人の4人に1人が悩む腰痛にも「病は気から」と同じことが起きています」

 

そう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。小林先生によると、イギリスのロンドン大学などの研究グループが、今夏、腰痛にはカウンセリングを中心とした「認知行動療法」が効果的という研究結果を発表。腰痛で苦しむ人のなかには、ストレスが大きく関わっていて、その治療には、心理的なアプローチを組み合わせることを推奨しているという。

 

「座骨神経痛や脊椎骨折など原因が特定できる腰痛は、全体のわずか15%で、それ以外の85%は、原因がハッキリしないということが、最近の研究で判明しています。原因が特定できない腰痛については、外科的な治療、湿布やはり、マッサージなどでは、完治するとは限りません。痛みの出ている人は、腰痛を抑える脳の仕組みが、衰えていることもあるからです。もう治らないかも−−という『痛みの恐怖』がストレスとなって、本来、痛みを和らげる脳内物質が出にくくなっているようです」

 

腰痛を治すにはストレスを減らすことがまず大事なようだ。そのうえで小林先生が、腰痛解消に欠かすことのない簡単エクササイズを教えてくれた。

 

【テニスボールエクササイズ】

「私はいつもテニスボールを持ち歩いていて、少し腰が重たくなったなと感じたら、お尻や腰、太ももにボールを当てて、痛いなと思うくらい、グリグリと転がします。椅子にテニスボールを置いて、その上に座って、コリ固まったお尻の筋肉をほぐすだけでも、腰が楽になるので、試してみてください」

 

【手首クロスエクササイズ】

「長時間のデスクワークをしたときは、まず、足を肩幅ほどに開き、姿勢よく立ちます。両腕を頭上高くまで上げ、手首をクロスさせます。息を吸いながら、体を上へ、上へと伸ばします。肩甲骨が内側に寄るように意識するのがポイントです。さらに、腹筋を意識しつつそのまま息を吐きながら、上半身を前に倒します。床と平行になるまで倒したら、息を吸いながら、元に戻します。これを3分ほど繰り返すだけで、血行もアップし、うっ血によって緊張した腰のあたりの筋肉もほぐれます」

 

気持ちと、筋肉をほぐすエクササイズ。これでつらい腰痛とサヨナラしよう。