「1日に使ったティッシュも1箱ではすまないくらい、ひどい花粉症に悩まされていましたが、ヨーグルトの効果には驚きました」
そう語るのは、特定国立研究開発法人・理化学研究所の辧野義己先生。さまざまな花粉症対策を講じてきた中で最も効果があったというのがヨーグルト。毎日、500g食べ始めて1年後、鼻水が出なくなったという。ほかにも、花粉症の症状を改善するために“腸”を意識した生活を心がけると病気知らずにもなった。そこで、先生が実践している“腸活”健康法を教えてもらった。
【1】ヨーグルトを1日300g食べる
腸内フローラを改善する善玉菌を増やすためには、食生活を改善しよう。先生は毎日ヨーグルトを500g取っているが、300gでもいいという。
「100gずつ小鉢に入れて3食に分けると食べやすいですよ。どの種類を選んだらいいのかわからないという人は『トクホマーク』がついたものを選ぶといいでしょう」(辧野先生・以下同)
【2】“ねばねば3兄弟”を取る
食物繊維が豊富なのは納豆、めかぶ、オクラの“ねばねば3兄弟”。多糖体と呼ばれる成分が腸内の善玉菌を増やすだけでなく、免疫を活性化させる働きがある。
「3兄弟に追加して、消化酵素を含む長芋、ペクチンが腸内コレステロールを排出するなめこも含めた“5兄弟”は同じ効果があります。5兄弟のどれかを、毎日小鉢1杯、食べましょう」
【3】毎日ウオーキングを
骨盤からお尻にわたる腸骨筋と背骨から足の付け根にわたる大腰筋の両方を合わせて腸腰筋というが、この筋肉が鍛えられているとイキまなくても便が出るという。
「腸腰筋を鍛えるには日々の運動しかありませんが、ハードな筋トレは不要。ウオーキングや階段の上り下りがいちばんです。私は毎朝1時間ほどウオーキングしています。毎日続けましょう」
【4】排便の状態をチェック
腸のサインを見逃さないためには、お通じの状態をチェックすること。
「便の状態を見れば体内の状態は一目瞭然です。理想の便とは黄色から黄土色。バナナのような形が2〜3本です。悪玉菌が腸の中に多く生息していると、硬くなったり水っぽくなったりします」
【5】トイレに行く時間を作る
免疫力アップには便秘は大敵。朝は忙しく、トイレに行くのを後回しにしがちだが、便意を感じていなくても便をしっかり出すために、トイレの時間を確保しよう。
【6】過度なダイエットはNG
極端な食事制限をしていると、便の材料不足で腸内フローラには悪玉菌がすみ着き、頑固な便秘になりがち。
「老廃物が腸内にあると、悪玉菌の作用が有害物質を生み出し、代謝能力を減少させるので、かえって花粉症にかかりやすくなります」
【7】体を冷やさない
おなかが冷えると腸の血行が悪くなり、腸の働きが衰える。一日の疲れをリセットするために入浴するときは、シャワーだけですまさないで湯船にしっかりつかること。特に冬場は湯冷めにも注意したい。
「入浴中に複式呼吸をしてインナーマッスルを鍛えたり、下腹部のマッサージをするのもおすすめです」