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「自分の呼吸が正常かどうかを、いちいち意識しながら生活をしている人は少ないと思います。でも実は、気がつかないうちに“ぜんそく”になっているかもしれないのです……」

 

そう語るのは、大阪はびきの医療センターの亀田誠先生。

 

「一度試しに、意識しながら呼吸をしてみましょう。まず、しっかり口を閉じて、鼻から息を吸ってみてください。そして次に、鼻からゆっくり吐いてみてください。楽にできますか?もし息のしづらさを感じるようであれば、鼻づまりがあるということです。このように少し意識するだけで呼吸の変調を確認できます。ふだんからせきが出やすい、息がしづらいことがあれば大人ぜんそくの可能性があります」

 

一般的には“子どもがかかる病気”というイメージがあるぜんそくだが、近年は大人になってから発症するケースが増えているという。『平成26年度厚生労働省患者調査』によれば、ぜんそく患者数は10代後半には急激に減少するが、30代以降は再び増加。なんと女性患者は男性の2倍以上に!ぜんそくは大きく分けて、特定のアレルゲン(アレルギーの源)によって発症する「アトピー型」と、アレルゲンが特定できない「非アトピー型」があるという。

 

「子どものぜんそくはアトピー型が多く、多くの場合は大人になるまでに治ります。それに対し、大人になってから発症するぜんそくは非アトピー型が多い傾向にあります。なんとなく息苦しく、夜中にせきのために何度も起きてしまうなどの兆候が現れることが多いようです。大人ぜんそくが近年増えている原因ははっきりしていません。生活スタイルの変化や、PM2.5や黄砂など、大気中のさまざまな有害物質も関係しているのではないかと考えられています」

 

代表的な症状は、深夜から早朝にかけ、喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーという音)が出て、息苦しくなるというもの。その時間帯は気道が狭くなる傾向があり、発作が起こりやすくなるのだ。大人ぜんそくは治りづらく、悪化しないようにコントロールしながら生涯ずっと付き合っていかなくてはならない。

 

「治療も進歩しているとはいえ、いまでも毎年1,000人を超える人々が、ぜんそくで亡くなっています。疑いがあったら、面倒がらずに早めの受診を心がけてください」

 

“これくらいの症状は大丈夫だろう”と過信し、放置すると、命を落とす危険もあるのだ。そこで亀田先生が、大人ぜんそく発症を予防するための生活習慣改善5カ条を教えてくれた。

 

【1】体重を増加させない

 

大人ぜんそくの患者数は女性のほうが多い。とくに35〜45歳では倍以上になっている。

 

「発症した中高年女性の多くに、肥満傾向が見られます。そもそも肥満は、脂肪の鎧を着て生活しているようなものです。呼吸に関係する筋肉も働きづらくなりますし、呼吸器にも負担がかかります。肥満タイプの患者さんには薬も効きづらく、重篤になりやすいのです。体重の増加が気になってきたら腹八分目を心がけ、肥満ひいては、ぜんそくの発症を予防しましょう」

 

【2】好きな運動を毎日コツコツ行う

 

ぜんそく予防のためには有酸素運動も効果的。

 

「少し息が弾む程度の運動を1日30分ほど行うのが理想です。『今日も頑張ったなぁ』とニコニコ笑顔で終えるぐらいを目安にして」

 

【3】香水は控えめに

 

「香水やネイルカラーは気道を刺激し、せきを誘引することがあります。せきが出やすい人は、たばこの煙だけではなく、お香やアロマオイルなどにも注意したほうがよいですね」

 

【4】呼吸でストレスのコントロール

 

「ぜんそく患者のなかにはストレスで症状が悪化する方がいます。その前段階で、緊張すると、せき込みやすいという方もいると思いますが、発症予防のためには、ストレスのコントロールが重要で、“呼吸を整える”ことにより、比較的簡単に実践できます。呼吸の整え方は、1.鏡の前で胸を開くことを意識して、姿勢を正す。2.口を閉じ、ゆっくり鼻から息を吸い、鼻から吐き切る。鼻呼吸をすると、のども乾燥しづらくなるというメリットもあります」

 

【5】小まめに掃除を

 

「ぜんそくを誘発するアレルゲンの8割をハウスダストが占めています。『ヤケヒョウダニ』『コナヒョウダニ』などのチリダニ科のダニで、人間のアカやフケを食べて生息しています」

 

寝具、とくに布団はダニの温床となるので、天気のいい日は天日干しをして、湿気をとるよう心がけること。床もできれば毎日掃除機をかけ、カーペット部分はとくに念入りに!

 

5カ条を実践して、自分と家族を“大人ぜんそく”から守ろう!

 

 

「胸郭を広げてコントロール
呼吸&ぜんそく改善ストレッチ+エクササイズ」

 

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三浦香織さんが呼吸改善エクササイズを監修した本が光文社より発売!

 

地方独立行政法人大阪府立病院機構・大阪はびきの医療センター(旧・大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)が監修する「胸郭を広げてコントロール 呼吸&ぜんそく改善ストレッチ+エクササイズ」が4月25日に光文社より発売されます。この本は「呼吸改善」をテーマにした内容で、ゴッドハンドとして紹介させていただいた三浦さんが監修した「呼吸改善ストレッチとエクササイズ」や、サッカー日本代表として活躍している岡崎慎司選手の呼吸改善をテーマにしたスペシャル対談などが掲載。また呼吸改善エクササイズに使えるストレッチバンドも付録としてついています!

 

価格:1,500円+税
出版社:光文社
発売日:2017年4月25日(火)

 

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