生活習慣が原因で、血糖値が高くなりすぎて下がらない2型糖尿病(以下・糖尿病)。戦後からずっと患者数が増え続け、’16年に初めて1,000万人の大台に乗った。予備群を含めると、2,000万人以上になる。もはや誰もが糖尿病になりうる時代なのだ。
「糖尿病で恐ろしいのが合併症です。人工透析が欠かせない腎不全や失明に至る網膜症、足の切断を迫られる壊疽、さらには動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気を引き起こすリスクが高くなります」
こう語るのは糖尿病専門医でAGE牧田クリニックの牧田善二院長。40歳以上の女性、4人に1人が予備群以上といわれる糖尿病。症状がないまま進行し、発病すると完治は難しい。そこで、次の「糖尿病予備軍」危険度チェックで確認を。7つ以上当てはまる人は、数年以内に糖尿病を発病するリスクが高い糖尿病予備群になっている可能性が!
□親やきょうだい、祖父母などに糖尿病の人がいる
□20歳のときから体重が10キロ以上増えたことがある
□腹囲が90センチ以上ある
□食事時間が不規則だ
□食べるのが速い
□野菜や海藻類をあまり食べない
□40歳以上である
□運動不足である
□ストレスが多く、イライラしていることが多い
□お酒が好き
□朝食を食べない
□菓子パンが好き
□脂っこい食べ物が好き
□清涼飲料水やジュースをよく飲む
□たばこを吸う
「糖尿病予備群とは、空腹時血糖値が110〜126dl/ml未満であること。この段階ならば、食べすぎ、運動不足、不規則な生活などを改善すれば糖尿病にならずに済むのです」(牧田先生・以下同)
そこで、生活習慣の改善がまず必要になる。
「ごはんやパン、麺類、いも類、果物に含まれている糖質は、体内に入るとブドウ糖になります。血液中に含まれるブドウ糖が血糖です。糖質を食べると血糖値は上がりますが、それを下げられるのがインスリン。予備群はインスリンがまだ出ています。糖尿病はすい臓が疲弊し、インスリンが出なくなり、血糖値が下がらなくなった状態。予備群のうちに、すい臓の疲弊を招く血糖値の乱高下をゆるやかにする生活習慣にすることが、最善策です」
血糖値の乱高下をゆるやかにするため、牧田先生は次のアドバイスを。
「血糖値を上昇させる糖質は、なるべく最後に口に入れたほうがいいのです。血糖値を上げることがない野菜、タンパク質、脂質をとったラストに糖質という慣習をつけたほうがいいでしょう」