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今や4人に1人が悩んでいる“国民病”の花粉症(アレルギー性鼻炎)。今年も花粉シーズンを目前に控え、憂鬱な気持ちになっている人も多いことだろう。

 

今月10日には「東京都民の約48%がスギ花粉症だと推定される」というニュースが流れた。アスファルトが多い都会では花粉が舞い上がり続けるため、都民は特に花粉症患者が多いようだ。しかも、すべての世代で10年前の調査よりも増えているとか!

 

また、昨年12月には日本気象協会が「東北、関東甲信、四国地方では前シーズンの1.5倍以上の飛散量」と発表している。昨年よりツラい状況になることは必至だ……。

 

「10年後にはスギ花粉症はなくなっているかもしれません。現在研究が進んでいる『LAMP(DNA)免疫療法』が実用化すれば、花粉症のみならず、多くのアレルギーを完治させられる可能性が高いのです」

 

花粉症の最新治療法を教えてくれたのは、総合内科医専門医で、東京・赤坂のおおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎先生。『LAMP』とは、スギ花粉の主要アレルゲン遺伝子を組み込んだ成分から作られたているワクチンのこと。この花粉の情報が入ったワクチンを細胞に何回か注射すれば、体が花粉を異物ととらえないため、アレルギー反応が起こらないという。

 

残念ながら、この夢の治療法の実用化はまだまだ先。現在、スギ花粉症の根本治療は、スギ花粉のエキスを毎日少量舌の下に投与して、体のなかで花粉の免疫を作っていく『舌下免疫療法』が主流だ。

 

「しかし、3~5年、毎日コツコツやっても、完全に治る人は20%程度。レーザー治療やアルゴンプラズマ凝固手術なども、鼻水や鼻詰まりがひどい人への対処療法で、永続的な効果はありません」(大竹先生・以下同)

 

花粉症の薬には、内服薬、点眼薬、点鼻薬の3種類がある。大竹先生がまず、内服薬を選ぶ際のポイントとしてあげるのは、効果があるかと副作用(眠くなるなど)がないかの2点。

 

「眠くならない第二世代の抗ヒスタミン薬は16種類あるので、そのなかから自分に効果のある薬を探しましょう」

 

市販の点眼薬は防腐剤が入っているため、処方薬をチョイスしよう。

 

「コンタクトレンズは花粉が長く付着し続けるため、しないほうがいいですね。やむなく装着している人は、外してから点眼しましょう。点鼻薬はステロイド配合のものが多いので、副作用についてよく調べる必要がありますね」

 

目を洗うのは水道水ではなく、処方された人工涙液で。鼻うがいは血液と同じ濃度の0.9%の生理食塩水(100ccの水に0.9グラムの食塩)を使うとよいという。

 

「症状がひどくなったら、自己判断せずにアレルギー内科などの専門医に相談することも忘れずに。治療法も薬も相性があり、効果は人さまざま。メリットとデメリットを把握したうえで、自分に合うものを選んで、ツラい花粉シーズンを乗り越えましょう」

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