専門家語る体癒す旅…医療費控除が認められる温泉も

「旅行に行っても高カロリーな食事で胃が疲れてしまったり、スケジュールを詰め込みすぎてヘトヘトに……、なんて覚えはありませんか? とくに50歳を過ぎると、以前と同じようなボリュームの旅行が難しくなってきます。そこで今、トレンドになりつつあるのが、旅を楽しみながら健康増進やストレス解消を目指し、日常の生活を見直すきっかけとする『ヘルスツーリズム』です」

 

そう話すのは、旅行ジャーナリストの村田和子さん。村田さんによれば、ヘルスツーリズムに基づくプログラムは、全国で次々と登場しているという。主催の多くは地域の観光協会や宿で、森や海岸でのウオーキングやヨガ、健康効果の高い温泉入浴などが、主なラインナップだ。

 

「昨秋には、ヘルスツーリズム認証委員会によるヘルスツーリズムの認証制度も始まりました。安全への配慮、健康への気づき、感情に訴える内容かどうかなどを基準に、認証を受けたプログラムが、現在、30以上登録されています」

 

ヨガなどの運動をメインにしたプログラムのほか、健康食をテーマにしたプログラムも人気だ。

 

「宿泊を伴うツアーのスタイルはまだ少なく、旅先のオプション感覚で参加するプログラムがほとんど。まずは観光の1つとして健康体験を選んでみては?」

 

最近では、ヘルスツーリズムを意識した宿泊プランを提供する宿も増えている。地元の旬の食材を使ったヘルシーな料理、朝ヨガなど体と心をリフレッシュできるプログラムを組み込み、健康志向の人々の需要に応えている。

 

「湯治に象徴されるように、温泉旅行も一種のヘルスツーリズムだと言えます。近年では、継続的に温泉に入浴し健康増進を目指す温泉療法も注目され、北海道の『豊富温泉』はアトピー湯治の聖地と言われるほど。全国から皮膚疾患で悩む人が訪れています」

 

この豊富温泉のほか、神奈川県の「江の島アイランドスパ」など全国21の温泉施設が、厚生労働省により「温泉利用型健康増進施設」として認定されている。認定施設を利用する際、医師による温泉療養指示があるなど一定の要件を満たせば、施設の利用料と交通費などが医療費控除の対象となる。

 

「1日体験の場合、それだけでは劇的な健康効果を得られないこともありますが、その経験はこれまでの生活を見直すきっかけになります。専門知識のあるガイドから正しいウオーキングや食事の取り方を学び、帰宅後はその知識を日常生活に取り入れる。私自身もヘルスツーリズムのプログラムに参加し、健康に対する意識や、その後の生活が大きく変わりました」

 

旅で健康になり、日常を元気に生きるきっかけにする。そんな新しい旅のスタイルはいかが?

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