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せっかくお化粧やおしゃれといった“見た目”にばっちり気を使っていても、目には見えない“におい”の対策がなおざりでは元も子もありません!

 

一般に、「日本人は外国人と比べてにおわない」というイメージを抱いている人は多いが、実際のところはどうなのだろう。『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)の著者でにおいに詳しい医師の桐村里紗先生は、「日本人は外国人よりもにおわない」と思われがちな理由をこう解説する。

 

「これは、日本人は外国人に比べ、ワキガのもとになるアポクリン汗腺という汗腺を持つ人が少ないことによると考えられます。確かに、黒人で100%、欧米人では70〜90%がワキガだといわれているのに対し、日本人でワキガがある人は10〜15%程度。そこから、日本人は体臭が少ないといわれるようになったのでしょう」(桐村先生・以下同)

 

汗腺にはもうひとつエクリン汗腺があり、主に体温調節のためにそこから汗をかく。

 

「エクリン汗腺は全身に存在し、そこから出る汗の99%が水分。残り1%が塩分や尿素、アンモニア、イソ吉草酸などの脂肪酸で、においの原因となりますが、濃度が低く、汗自体はほとんどにおいません」(桐村先生・以下同)

 

スポーツマンがかく玉のような汗はその典型。だが、本来におわないはずの汗も、生活習慣によって「におう汗」に変わるというのだ。

 

「ほとんど水分であるエクリン汗腺からの汗は、本来サラッとしています。しかし、運動をしなかったり、湯船につからなかったり、夏もエアコンが効いた部屋にばかりいると、体温調節が不要になり、エクリン汗腺も休眠モードに。すると、ミネラルなどの栄養成分が汗のなかに排せつされやすくなり、汗がベタベタになってしまうんです。これが常在菌を増やすもとになり、においの原因になってしまいます」

 

エクリン汗腺の機能が低下している人の汗は、ナトリウム濃度が高い。もし自分の汗がしょっぱくベタつくようだったら、なるべく汗をかくような生活を心がけ、エクリン汗腺を鍛えよう。

 

「また、汗には体温調節のためにかくもののほかに、『精神性発汗』と呼ばれるものがあります。緊張したときや恐怖を感じたときに、手のひらや足の裏、わきの下などに汗がにじんだことがある人も多いでしょう。こうした汗もやはりミネラルの排出が多いためベタつきやすく、においの原因に」

 

更年期の代表的な症状である、ホットフラッシュで大量に汗をかいたときも同様だ。たかが汗、されど汗。汗を制する者はにおいを制するのだ!

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