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病院で診察を受けづらいいま、「不調への対処法に有効」と医師が太鼓判を押すのが漢方。でも、「風邪をひいたら」と安易に手を出すのではなく、まずは体質の把握からーー。

 

「スギ花粉症のみならず、寒暖差による体調不良に悩まされる今日このごろです。ところが、新型コロナウイルスが気になって、おいそれと医療機関を受診できないのが現状ではないでしょうか? そこで、花粉症の症状に悩む人や、“風邪かも……”と不調を訴えている人にとって、強い味方となってくれるのが漢方薬です」

 

そう語るのは、テレビの健康番組でもおなじみの池谷敏郎先生。

 

「たとえば発熱したときに、西洋医学では解熱剤が処方されますね。たしかに熱が下がれば一時的に楽になります。しかし、発熱には免疫力を高め、ウイルスや菌を弱らせる働きがあるので、安易な解熱剤の内服は推奨できません。いっぽう、草や木など自然のさまざまな“生薬”を組み合わせた漢方薬には、体温を上げて発汗を促し、解熱させるといった一連の生理的な反応を助ける働きがあるのです」

 

近年は、多くのクリニックでも漢方が処方され、薬局で手に入る漢方薬の種類も増えた。しかし、自分で漢方薬を選ぶうえでの“注意点”があると、池谷先生は語る。

 

「体質により、特定の漢方薬が効く人と効かない人がいるので、自分の体質を把握してから選ばなければなりません」

 

次の体質チェックを参考に、自分がどのタイプに当てはまるか調べてみよう。

 

■自分に合う漢方薬を見つけるための「体質チェック」

 

体力には自信が→ □ あるほうだ(実証) □ ないほうだ(虚証)
肌の質は→    □ ツヤがある(実証) □ 乾燥していて荒れやすい(虚証)
自分の声は→   □ 大きいと思う(実証) □ 小さいと思う(虚証)
運動すると→   □ あまり疲れない(実証) □ すぐ疲れる(虚証)
自分の体形は→  □ がっちりしている(実証) □ ほっそりしている(虚証)
食欲は→     □ 旺盛である(実証) □ あまりない(虚証)
胃腸は→     □ 便秘になりやすい(実証) □ 下痢しやすい(虚証)
室内では→    □ 暑がりだ(実証) □ 寒がりだ(虚証)
人からは→    □ エネルギッシュといわれる(実証) □ 少し弱々しいといわれる(虚証)

 

※6以上「実証」に当てはまる場合は実証タイプ。どちらか4~5つ当てはまる場合は中間タイプ。

 

チェックリスト9つの項目のうち、“5つは虚証に当てはまったが、あと4つは実証なので、どっちつかずだ”という人も少なからずいるはず。そういう人は“中間タイプ”となる。

 

「風邪=『葛根湯』を飲めばいいと思っている人もいますが、一概にそうとは言えません。葛根湯は比較的体力のある実証タイプの人向け。寒気や、悪寒などの風邪の初期症状に使います。弱った虚証タイプの人が、葛根湯を服用すると、胃腸を壊すなどの体調不良が現れやすい。虚証タイプの人には、風邪の初期症状への対処法として。じわじわと発汗を促す桂皮の入った『桂枝湯』を処方します」

 

「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載

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