自粛中“過度の飲酒”に「うつ病招くおそれ」と医師が警鐘

政府が緊急事態宣言の延長を発表したことにより、自宅で過ごす時間の長い日々はまだしばらく続くことに。在宅中はついつい自分を甘やかしてしまうという人も少なくないだろう。しかし、そんな悪習慣が体に及ぼす悪影響について、疲労外来ドクターの工藤孝文先生は警鐘を鳴らす。

 

「海外では、感染予防のための外出禁止や隔離の長期化により、うつや不安障害などの症状を発症している人が急増しているという報告が次々と出ています。日本も例外ではありません」

 

工藤先生の元に訪れる患者さんの中にも、不安や不眠症など精神的な不調と関係する症状を訴える人が増えているそうだ。

 

生活のリズムが変わるだけでなく、家族の不安定な気持ちが伝染して家庭内でピリピリしたムードになったり、外出が減り気分転換がしにくくなっているなど、さまざまな要因が考えられるという。

 

「こうした状況が、ストレスや不安、睡眠障害などを招きやすくするのですが、これらはすべて脳のコンディションにも深く関係しています」

 

特に中高年世代では、これらが“脳の老化”にもつながってしまうのだという。そんな“巣ごもり中のNG”が次の習慣だ。

 

【1】太陽の光を浴びない

 

太陽の光を浴びることで、脳内では幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促進され、元気が出る。一方、巣ごもり生活では、太陽の光が足りないため体内のビタミンDが不足しがちになる。

 

「ビタミンDは私たちの骨を作る大切な栄養素で、免疫にも関係しているといわれています。1日20〜30分程度、太陽の光を浴びることが、脳の健康には大切です」(工藤先生・以下同)

 

【2】過度の飲酒

 

巣ごもりで、家庭での飲酒が増えたという報道がある。

 

「ストレスのたまりやすい時期でもあるので、缶ビール1本程度の飲酒であれば、リラックス効果が期待できることもあり推奨できますが、過度の飲酒は禁物。飲みすぎは肝臓にも負担をかけ、睡眠障害の原因にも。そこから精神的な不安定さ、うつ状態を招くおそれがあるので飲みすぎにはくれぐれも注意してください」

 

【3】夜更かしをする

 

「夜10時から深夜2時の間は、内臓を休めるベストタイム。できるだけこの時間には布団の中に入っていたいところです。夜遅くにパソコンやスマホを見るのも、脳が刺激されて交感神経が優位になるので避けましょう。規則正しい時間に起きて朝日を浴びると、脳に刺激を与えて体内時計を整えることができますし、やる気ホルモンのドーパミンが分泌されます」

 

元気が出ないときほど、規則正しい生活を心がけたい。

 

【4】運動不足になる

 

「家の中にこもりがちだと、どうしても運動不足になります。それによって血流が滞り、脳への血流も不足して、うつっぽくなる、忘れっぽくなるなどの影響が出てきます。室内でもできるストレッチやラジオ体操を習慣づけましょう。その際には、腹式呼吸でゆっくりと深い呼吸を心がけて。自律神経が密集している横隔膜が刺激されて、副交感神経が優位になり、脳への血流も促進されることで、脳がストレスを感じにくい状態になります」

 

生活の中にリラックスできる時間を設ける工夫をするべきだと工藤先生は話す。不摂生になりがちな食生活にも注意が必要だ。

 

「気をつけてほしいのはジャンクフードです。カップ麺やインスタント食品、スナック菓子の需要が伸びているようですが、ジャンクフードの過剰摂取は脳の海馬に悪影響を及ぼすことがわかっています。非常時ですが、食料がないわけではありません。バランスのよい食事を心がけましょう」

 

「女性自身」2020年5月26日号 掲載

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