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「やたら汗をかく」「イライラする」など更年期障害と甘く見ていた症状が、実はバセドウ病だった……。そんな事態に陥らないように早期発見&治療のポイントを知っておこうーー。

 

40代後半から多くの女性たちが、肩こりや頭痛、発汗、動悸、息切れ、倦怠感といった更年期障害の症状に悩まされる。

 

「更年期に現れる症状は人によって違います。40~50代で体の不調を感じると、なんでも『更年期だから』と決めつけてしまいがちですが、更年期とは別の病気が原因で、不調が出ている場合があります。自己判断をしないで病院で診てもらったほうが安心です」

 

そう語るのは、『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)の著者で、常喜医院の常喜眞理院長。特にコロナ禍の今は、一日のうちに何度も体温を測り、家族の体調の変化にも気を使うので、精神的にも不安定になっている人が多く、強い倦怠感を訴える人が増えているという。

 

「『この症状は更年期?』『コロナうつ?』と思ったら、違う病気の場合もあります。その最たるものが甲状腺の病気です。甲状腺は首の前側中央、喉仏の下あたりにある臓器ですが、ここから分泌される甲状腺ホルモンは体の発育や代謝機能に大きく関わっています。女性の約10人に1人、中年女性に多い『橋本病』は、甲状腺ホルモンの分泌が低下したときに、一日中足がむくんで、声がかすれる、冷え性に便秘、頭がボーッとするといった症状が出ることがあります」(常喜院長・以下同)

 

これとは反対に、甲状腺ホルモンが過剰に出ることで、発汗、動悸、息切れ、イライラする、不眠、疲れやすいなどの症状が出るのは『バセドウ病』。甲状腺機能の異常は血液検査でわかるので、気になったら検査を受けよう。一日中倦怠感があり、意欲が低下するのは「コロナうつ」や更年期ではなく、「かくれ貧血(潜在性鉄欠乏症)の恐れがある。

 

「体内にある鉄の60~70%は血液に含まれるヘモグロビン、30~40%は肝臓や脾臓などに貯蔵鉄として蓄えられています。食事などから得る鉄分の量が不足してくると、貯蔵鉄から不足分を補い、『潜在性鉄欠乏症』となってしまいます。血液検査ではフェリチン値をみていきます」

 

常喜院長は、ささいな体調の異変から病気を見つけるためにも、40代半ば以降はなんでも相談できるホームドクター“かかりつけ医”を探しておくことを勧める。

 

「特にコロナ禍の今は、体調が優れないときに無理に通院しなくても電話やオンラインで相談することもできるので安心できますよ」

 

「女性自身」2020年9月8日 掲載

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