女性の自殺が急増中…香山リカ「うつ重症化の前に早期診断を」

芸能人に相次ぐ不幸。長引くコロナ禍もあって、多くの人の心は疲弊している。大丈夫だと思う人ほど、注意したほうがいいという。うつの見分け方を専門家に聞いたーー。

 

「コロナ禍のなか、ここ1〜2カ月で『うつ』になる人が増加している傾向がみえます。私が診察していても『うつ』と診断する方は確実に増えてきていて、その7割方が女性という印象です」

 

こう話すのは、立教大学教授で精神科医の香山リカさん。緊急事態宣言が出された4月ごろにも「コロナうつ」の危険は指摘されていたが……。

 

「緊急事態宣言のころは『感染したらどうしよう』という、新しい感染症への恐怖心や不安、一過性の心のパニックなどで受診する方が多かった。でも、ここ最近では、『うつ』の診断基準の当てはまる状態の方が、増えているんです」

 

警察庁発表「月別の自殺者数」では、今年8月の女性の自殺者数は’19年8月より40%もの急激な増加となっている。自殺とうつには深い関係があるという。

 

「自殺された方の遺書などから。8割方はうつ病状態だったのではないかという研究報告もあります。多くの方が、もしも亡くなる前に診察できたのなら『うつ』と診断される状態だったということです」

 

では、どんな人がうつになりやすいというのだろうか?

 

「責任感が強く、人に頼れずなんでも自分で解決しようとする人、また、『自分は大丈夫、うつにならない』と思っている人こそ注意すべきです。なにかに失敗したとき、『自分のせいだ』と自分を責めやすい性格の人もそうですね。また『いまはみんなコロナで大変だから』と考えるような人は、カウンセリングや受診も遅れ、重症化してしまう恐れがあります」

 

エスカレートして最悪の事態にならないためにも、いまの自分の心の状態を見極めることが重要だ。次の「うつを見抜くチェックリスト」で把握してみよう。

 

【うつを見抜くチェックリスト】

□ 好きなテレビ番組、連ドラも見る気がしない
□ 夜中にハッと目が覚めて、あれこれ気になってしまう
□ 友達からの何げない一言を受け流せず、ひどく傷つく
□ お酒や、甘いものをついとりすぎてしまう
□ ハッと気づいたときには、夫や子どもを叱責していることが増えた
□ やたら涙もろくなった。ワイドショーで泣いてしまう
□ コロナが気になって常に不安。先が見通せないので落ち込む
□ 肩こり、頭痛、動悸、吐き気などがある
□ 「人生ってつまらない」と思い、ため息がよく出る
□ メールやLINEが届いていても、返信するのが面倒くさい

 

もし、3つ以上、チェックが入れば要注意、5つ以上ある場合は、保健所の精神保健相談、病院やクリニックなどに相談してみよう。うつは早期診断が重要だという。

 

「うつと診断されることで、『死にたい』と思うのは自分がおかしいのではなく、『うつの症状のひとつ』だとわかる。『風邪をひいて熱が出た』のと同じく、薬を処方して症状を緩和することは、追いつめられた気持ちを軽くします」

 

“心の風邪”ともいわれるうつ。風邪と同じように、誰もがかかる可能性があるし、早めの治療が何より大切なのだ。

 

「女性自身」2020年10月20日号 掲載

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