江戸時代『養生訓』に学ぶ「感染予防の習慣」トイレ我慢はNG

2020年、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスを撃退する方法が、約300年前の儒学者・貝原益軒の健康指南書『養生訓』に記されているという。その驚きの内容とはーー。

 

「みなさんは江戸時代の儒学者・貝原益軒(1630〜1714)の『養生訓』をご存じでしょうか? 私は新型コロナウイルスに打ち克つ多くのヒントが、ここに書かれていると思っています」

 

そう話すのは、『「養生訓」病気にならない98の習慣』(日本経済新聞出版)の著者で、南越谷健身会クリニック院長の周東寛先生。どうして、現代の新型コロナウイルス対策に、江戸時代の健康法が効果的なのか? 西洋医学と東洋医学の両方を学んできた周東先生は、こう解説する。

 

「もともと益軒は子どものころから病弱でしたが、日ごろから、健康を意識した暮らしを送り、当時としては超長寿である83歳まで生きました。晩年、自分の健康法を書き残したのが『養生訓』。そこには日本の風土と生活習慣に合わせた病気の予防法がたくさん紹介され、それらは現代医学から見ても、非常に学ぶことが多いんです。十分にいまの新型コロナに通用する対策と言っていいでしょう」

 

今回は、そんな『養生訓』のなかから、感染予防に最も重要な「免疫力を上げる心得」を周東先生が厳選。ウイルスに克つ生活習慣を教わっていこう。

 

■朝一番のつばは飲み込むべからず!

 

「益軒は『養生訓』で“朝起きたら、すぐにぬるま湯で口をすすぐべし”と勧めています。朝起きたときの口内は、一晩寝ているうちに細菌などが増殖し、とにかく不衛生。その唾液を飲み込んでしまうと、腸の免疫力を下げ、ウイルスに感染しやすくなります。起きたら、まず洗面所に行き、歯みがきをする習慣をつけてください」

 

■食後はお茶でうがいをすべし!

 

益軒はつぎに「食後には湯茶をもって口を何度かすすぐのがよい」とも書いている。

 

「これは現代でも理にかなった口内殺菌法。日本茶に含まれるカテキンは強い抗酸化作用や殺菌作用があり、口内に入ってきた細菌やウイルスに殺菌効果があります。お茶でのうがいには、虫歯予防の作用もあるので、毎食後、こまめにするとよいでしょう」

 

■トイレを我慢するべからず!

 

「出すものを出さずにため込んでいると、体内に老廃物が増えて、免疫力が落ちてしまいます。これを益軒は“大小便は早く出してしまったほうがよい。我慢しているのは害がある”と書き、戒めています。このほか、おしっこは我慢すると、膀胱炎などになりやすく、うんこを我慢していると、大腸がんのリスクも高くなります。自然の摂理で行きたくなったら、トイレに行くことが大切です」

 

最後に、周東先生はこう語る。

 

「新型コロナ対策は、まず手洗いとマスクで、体内にウイルスを取り込まないことが第一。そのうえで、もし体内に入ってしまったときのために、ウイルスを退治する免疫力を高めておくことが大事。その一助として、益軒の心得は非常に有効だと思います」

 

江戸時代の賢者の知恵である『養生訓』。上手に活用して、新型コロナに打ち克とう。

 

「女性自身」2020年10月20日号 掲載

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