「楽観的な考え方が心筋梗塞と認知症を避ける」と医学部教授
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食事や睡眠などの悪い生活習慣が病気のもとになる、とは知っていても、「性格」が病気と関係するのは初耳な人が多いのでは? 今日から少し意識して、健康な人生を手に入れようーー!

 

「新型コロナウイルスの影響でコロナうつが増加しています。うつ病はまじめで責任感が強い人ほどなりやすいといわれるとおり、性格や物事の捉え方が、病気のリスクに関わることもあるのです。しかし、性格が病気の発症に影響するのは、何もメンタル系の病気に限りません。実は心筋梗塞や認知症といった病気も、性格が関係しているのです」

 

そう語るのは、東北大学医学部の辻一郎教授。現代病ともいえるこれらの病気が、性格とどう関わっているのだろう?

 

「アメリカの心臓内科医フリードマンによると『競争心が強い』『せっかち』『敵意を燃やしやすい』といった人は心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患になりやすい傾向があるといいます。これらは英語で表現した頭文字をとって『タイプA』と呼ばれていますが、自律神経のなかでも車のアクセルにたとえられる『交感神経』の働きが強いと血圧が上がりやすく、心拍数も速くなるため、これが血管にストレスをかけて動脈硬化のリスクを高める鍵になると考えられます」

 

世界に先駆け超高齢化社会に突入した日本。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になるといわれているが、この新たな国民病にも性格が関係している。

 

「認知症は、脳の海馬という“新しいことを記憶する”部分が加齢によって萎縮することから始まります。お年寄りが昔のことは覚えているのに、昨日食べたものを思い出せないというのはその典型例です。海馬の萎縮を防ぐためには、脳に新しい刺激を与え続けることが重要です。また、海馬は感情とも関係が深く、うつ状態になると萎縮しやすい傾向にあります。そのため、神経症的な傾向(うつ状態になりやすい)があり、がんこで内向的な人は認知症になりやすいといわれています」

 

これらの病気を遠ざけるためには「ポジティブなイメージを持つこと」だと辻先生は言う。

 

「楽観的な考え方は、交感神経の暴走を防ぐほか、海馬の萎縮も予防するので、心筋梗塞と認知症、両方の予防につながります。さらに免疫力のメインとなるNK細胞を活性化させて、感染症やがんの予防にも役立つのです。人はいつも無意識のうちに自分自身に暗示をかけて生きているものですが、物事に失敗するときはたいていネガティブイメージを反すうしすぎて、それが暗示になってしまっているからです。よい自分になるのも悪い自分になるのも、暗示次第なのです」

 

性格を変えることは難しいが、暗示をかけることは「人生観を変えること。これなら誰にでもできるはずです」と辻先生は続ける。

 

「ちなみに、一緒に暮らす人との仲も重要です。アメリカの調査では、結婚に不満がある女性は、結婚に満足している女性に比べて動脈硬化の発生率が高いことが明らかになりました。原因はいうまでもなくストレスですが、もし夫が自分を褒めてくれないという不満があるのなら、あなたから夫を褒めてみてください。もしかしたらうまくいく……かもしれません(笑)」

 

日常のささやかな積み重ねが病気を招きも防ぎもする。とりあえず、家庭のストレスを解消するべく夫をねぎらうところから始めてみては?

 

「女性自身」2020年11月17日号 掲載

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