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最近よく耳にする、腸内環境の大切さ。それは主に、大腸のコンディションを指す。あなたの大腸が“劣化”してしまっている恐れがないか、自分の生活と照らし合わせてみよう。早めの改善が鉄則です−−!

 

「何日も排便がない状態や、便通があったのにまだ残便感がある、などの異変は大腸がダメージを受けている証拠。これは“大腸劣化”のわかりやすいサインです」

 

帝京平成大学の松井輝明教授はそう警鐘を鳴らす。便秘などによって腸内の悪玉菌が増加した状態を放置していると、腸内環境、特に大腸の劣化が進むという。大腸劣化は肌トラブルや肥満、さらには大腸がんや認知症などさまざまな病気のリスク要因になるというから注意が必要だ。

 

「私たちは体内で発生した有害な物質の70%を便として大腸から排泄しています。その排出が滞ると、有害物質がたまって腐敗が進み、悪玉菌がはびこります。そこから発生する毒ガスが大腸を徐々に劣化させ、劣化が進むと全身のトラブルにつながるのです」(松井先生・以下同)

 

さらに、更年期をむかえるころの女性は、大腸劣化に特に気を付けたいと松井先生は話す。

 

「女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減ると、頑固な便秘に悩まされることが多くなります。大腸劣化は免疫力の低下にもつながるため、いっそう注意が必要です」

 

次の判定テストで自分の大腸のコンディションを確認してみよう。

 

【“大腸劣化”度判定テスト】当てはまる項目の点数を合計してみよう

□ 肉や脂っこい物が好き…2点
□ 野菜はほとんど食べない…2点
□ 外食が多い…1点
□ 食事の時間が不規則…1点
□ 寝る前によく食べたり飲んだりする…1点
□ 定期的な運動をしていない…1点
□ 1日に30分以上歩いていない…1点
□ ストレスがたまりやすい…1点
□ 肌荒れや吹き出物が多くなった…1点
□ たばこを吸っている…1点
□ 便やおならのにおいが臭い…2点
□ 便が3日以上出ないことがある…2点
□ 便が出るまでに5分以上かかる…1点
□ 便意があっても我慢してしまう…1点
□ 便を出しても残便感がある…2点

 

〈当てはまる項目の点数の合計〉5以下=大きな問題はなさそう。0点を目指して/6〜10=腸内環境が悪化の傾向に。生活習慣の見直しを/11〜14=腸内環境がかなり悪化していそう。食物繊維やヨーグルトを積極的に取ろう/15以上=本格的な大腸劣化に陥っている可能性が。食生活や生活習慣を見直しても不調が改善されなければ専門医の診断を

 

「簡単な自己判断の手段として、便のにおいに敏感になる方法もあります。健康な人の便はほとんどにおいませんが、腸内に腐敗した物質があると悪臭がします。できれば芳香剤や消臭剤は使わず、においを毎日確認することが大切です」

 

ほかに、運動不足や喫煙習慣などの大腸劣化の要因を改善するように心がけよう。また、便秘を解消するために市販薬に安易に頼りがちな人は、少しずつ使用する頻度を減らしていけるようにしたい。

 

万病のもととなる大腸劣化。けっして放置せずに、その原因をシャットアウトしよう!

 

「女性自身」2020年11月24日号 掲載

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