しらす・めかぶ・納豆の酢醤油和え 画像を見る

’21年の経済協力開発機構の調査で、日本人は世界一、睡眠時間が短いと判明した。特に、50代女性は6時間36分と最短だった。

 

「寝ている間に起きてしまう、眠りが浅く熟睡感がない……など、中高年の女性には何かしら睡眠に問題がある人が多いです」

 

そう指摘するのは、睡眠障害の治療にもあたる銀座予防医療クリニックの青木竜弥院長だ。

 

「質のよい睡眠をとるためには、メラトニンというホルモンが重要です。睡眠ホルモンとも呼ばれ、脳の松果体から分泌されて体内時計を調整します。日中の明るいうちは生成が少なく、日暮れから脳内で合成がはじまり、分泌量が増えて夜に眠くなるのです。眠っている間に、日中の10倍の分泌量に増えて深い眠りに導きます」

 

そのメラトニンの分泌量が減ることが、睡眠障害の一因だ。

 

「加齢に伴うメラトニンの分泌量低下が、中途・早朝覚醒や入眠障害の原因と考えられます」

 

青木先生は、栄養療法として、メラトニンをつくる食事と栄養素について指導しているという。

 

「メラトニンの生成には、マグネシウムと鉄が必須です。ところが日本人はマグネシウム不足の人が多く、睡眠時間の短さに影響していると考えられます」

 

女性のマグネシウム推奨量は、30歳以上で1日290ミリグラム(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)。一方、女性の実際の摂取量は205ミリグラム(同省「国民健康・栄養調査(令和元年)」)と、マグネシウムの不足が一目瞭然だ。

 

次ページ >火を使わない!

【関連画像】

関連カテゴリー: