GWに感染拡大が懸念される感染症…はしか、破傷風に「致死率30%」の病気まで
画像を見る 【グラフ】劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者数

 

■手足が1時間に1cmの速さで壊死、急死する

 

【2】人食いバクテリア〈感染度・C、危険度・S〉

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症といって、発症後の致死率が30%と極めて高いのが特徴だ。

 

「主原因となるのは溶連菌の一種であるA群溶血性レンサ球菌です。溶連菌は咽頭炎を引き起こすことが特徴ですが、ごくまれに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症。

 

感染経路は飛沫感染や接触感染で、はじめは四肢の先端部分から軽い痛みや発疹が出てきて、手足が急激に腫れ上がり、1時間に1cmのスピードで壊死。発症後、半日から2日ほどで亡くなるケースが多いです。ワクチンはありません」

 

【3】新型コロナ〈感染度・A、危険度・B〉

 

「5類になって死亡数は減ってきていますが、頭がぼーっとするブレインフォグ、せきが続くなど後遺症が多いので、まだまだ要注意」

 

【4】インフルエンザ〈感染度・A危険度・B〉

 

「コロナ禍の感染予防によって、免疫が弱まっていることから、今シーズンは流行しました。次シーズンの流行も例年よりも早まる可能性があるので、早めのワクチン接種が望まれます」

 

【5】風疹〈感染度・A、危険度・B〉

 

症状自体は軽いが、妊婦が感染すると早産や流産、死産、胎児に難聴や目、心臓に障害を残す先天性風疹症候群を起こすリスクがある。感染者1人から5~7人に広がるほどの感染力だ。

 

「感染経路は飛沫感染が主ですが、接触感染もします」

 

1962年4月1日以前生まれの人はワクチン接種をしていない可能性が高く、1979年4月2日から1987年10月1日生まれの人は個別接種のために接種率が低いなど、年代によってワクチン接種状況が異なる。

 

【6】百日ぜき〈感染度・B、危険度・B〉

 

現在も幼児へのワクチン接種がされて予防できているが、一部、接種をしていない人や免疫が十分でない人もいる。

 

「さらに高齢者では、免疫が下がり感染するケースも。大人で3週間せきが続いている人の18.5%が、百日ぜきが関与しているという調査もあります。

 

日本では抑え込まれていますが、グローバル化によって、東南アジアやアフリカから持ち込まれることもあります」

 

【7】おたふく風邪〈感染度・A、危険度・C〉

 

「ムンプスウイルスに飛沫・接触感染すると、耳下腺が腫れておたふくのように見える症状に。大部分は、症状自体は軽く終わります。しかしまれに起こる精巣炎や卵巣炎、髄膜炎などの合併症が怖い。感染歴がなく、予防接種をしていない人は要注意です」

 

【8】破傷風〈感染度・C、危険度・A〉

 

「日本の破傷風発症率は、米国の9倍、欧州の4倍。破傷風菌は、土の中などに常在しており、なかでも関東ローム層でも検出。ガーデニングや山登りが趣味の人などはリスクが高いといえます」

 

病状が進めば、痺れや麻痺が残る可能性も。

 

「強直性痙攣といって筋肉が強く収縮し、背中がそり返り、そのまま骨が折れて亡くなるケースもあります。2018年の破傷風の届出数は134です」

 

ワクチンに関しては、1967年生まれ以前の人は接種していない可能性が高い。

 

「さらに1968年以降に生まれた人も、その効果は50年ほどで低下するといわれるので、50歳以降は10年ごとに追加接種しておくと安心。1回あたり3千~5千円ほど」

 

【9】帯状疱疹〈感染度・C、危険度・B〉

 

80歳までに3人に1人が発症するといわれる帯状疱疹。

 

「原因となる水疱瘡のウイルスは、一度かかると神経に潜んでいます。加齢や疲労で抵抗力が落ちたり、ストレスなどにさらされると、潜んでいた水疱瘡のウイルスが暴れ出すというイメージ」

 

好発年齢の50代以上を対象に、ワクチン費用の一部を負担する自治体が多くある。1回あたり5千円~2万円ほど。

 

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