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「お寿司を食べて帰宅した後、お腹が苦しいなと思ったら、あっという間に頭からつま先まで真っ赤。全身にじんましんなんて、初めてでした」

 

2023年2月、平井正樹さん(仮名・30代)は怖くなって、同居するパートナーに症状を見せた。幸いなことに彼女は医療従事者だ。動じることなく、「息苦しくなったら、いつでも起こして。救急車を呼ぶから」と言って寝てしまった。

 

翌朝、病院で抗アレルギー剤の点滴を受け、やっとじんましんが引いた。検査を受けると、アニサキスの数値だけが突出して高かったという。

 

アニサキスとは、イカやサバなどにつく寄生虫だ。アニサキスが寄生する魚などを食べると、胃壁や腸壁にアニサキスが刺入して、激烈な腹痛を伴う「アニサキス症」(食中毒)を起こすことがある。

 

だが、平井さんに起きたのは食中毒ではなく、「アニサキスアレルギー」だ。

 

「アニサキス症(食中毒)にかかったことがなかったので、アレルギーの原因がアニサキスだなんて、驚きました」(平井さん)

 

アニサキスに由来するタンパク質などがアレルギー反応を起こすもので、アニサキスの死骸やアニサキスエキスに触れたものからも発症することがある。恐ろしいのは、アニサキス症(食中毒)になったことが無い場合でも発症するということだ。

 

昭和大学病院の鈴木慎太郎医師の論文によれば、「実際に当院のアレルギー外来を受診しアニサキスへのアレルギー反応を示した患者のうち,70%が先行するアニサキス症がない(または不明瞭な)患者であった」(「本邦のアニサキスアレルギーによる健康被害について」より)と、まだわかっていない部分も多い。

 

平井さんはいま、アニサキスアレルギーに詳しい専門医の診察を受けている。初期の治療は、アレルギーを起こす可能性のあるものすべてを食べないこと。生魚はもちろん焼き魚も煮魚もダメ。オキアミの入ったキムチもダメといわれ「絶望した」という。

 

その後、ひどいアレルギー症状は1度だけ。「シラスのトッピングを知らずにピザを食べたら、全身のじんましんと下痢に加え、熱も出ました。魚は大好きでしたが、完治しないかもとあきらめています」(平井さん)

 

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出典元:

WEB女性自身

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