■スーパーで販売している焼きミョウバンを使って
う~ん、では疲労臭を防ぐには、どうすればいいのだろうか?
「疲労臭には、焼きミョウバンスプレーをおすすめします。焼きミョウバンは食品添加物で、お料理でも使いますので、スーパーで販売しています。
これを水に溶かし、霧吹きに詰めて、『アンモニアくさいかな』というときに、皮膚の気になるところに吹き付けましょう」
作り方としては、市販の焼きミョウバン50gを水1.5リットル程度に溶かす。
「ミョウバンを水に溶かすと弱酸性の水溶液になり、アルカリ性のアンモニアをよく吸収してくれるんです。つまりミョウバンの中和作用によって、アンモニアの疲労臭を取り除きます。
吹き付けるのは、脇や、足、首筋などがいいでしょう。体以外でも、衣服や靴下に吹き付けてもいいです。100mlのスプレーボトルなどに入れれば、小分けして持ち歩けますよ」
さらには、疲労臭をもとから絶つ方法について聞いた。
「まず、アンモニアの原料はタンパク質ですので、肉や魚などタンパク質の多い食品を取りすぎないことです。食品の栄養素がタンパク質に偏ってしまうと、アンモニアが出やすくなってしまいますので、タンパク質、炭水化物、脂質の栄養バランスが偏らない食事を心がけましょう」
そして、肝臓の働きをよくすることが大事だそうだ。
「アンモニアは腸内で作られ、血液に移っていきますが、通常は肝臓で無害化され、尿素として尿で排出されます。しかし肝機能が衰えるとアンモニアの無毒化がされにくくなりますので、肝臓の働きを悪くするお酒は、飲みすぎないようにしましょう」
積極的に食べるべきなのは、アミノ酸の一種のオルニチンだという。
「シジミはオルニチンが豊富です。ほかにも、ぶなしめじなどもオルニチンを多く含みますので、みそ汁などで取り入れることがいいと思います」
そして、腸内環境を整えることも大切だ。
「アンモニアは腸内の悪玉菌が作り出しますので、ビフィズス菌などの善玉菌を腸内に増やすと疲労臭を軽減できます。たとえばビフィズス菌入りのヨーグルトや、糖の一種でビフィズス菌のエサになるというラクチュロースを含む食品も効果的です」
このラクチュロースは「1日4gほど」を目安に摂取するといいそうだ。
しかし、実際に疲労臭が出ているかどうかは、自分では気づきにくいものだが……。
「疲労臭はだいたい、足の裏から出る人が多いです。ですから、お風呂に入ってしっかり足を洗っても、なおかつツーンとする臭いがするときは、疲労臭が出ている可能性が高いですね」
そして、やはりストレスは疲労臭の大敵だそう。
「汗を放置しないように、通気性のいい服で気分よく過ごしましょう。ハイヒールやパンプスは足が疲れ、ストレスがかかりますので、不要であれば控えましょう。
さらに、暑さは『熱のストレス』が体と心にかかります。熱中症対策で日傘を差し、日陰を歩くというのは、疲労臭に対しても効果があります」
まだまだ続く暑さ、焼きミョウバンスプレーで臭いだけでもストレスフリーに過ごそう。