【47都道府県】認知症の発症率ランキング!発症率1位の“野菜嫌い”な県は?
画像を見る 神奈川県川崎市麻生区の街並み。歩くだけで足腰が鍛えられる

 

■坂道が多く自然に足腰が鍛えられる

 

また田中さんは、神奈川県がもっとも認知症が少ない県である背景をこう見ている。

 

「神奈川県内でも人口が多いエリアは里山を切り開いたエリア。そのため坂道が多いのが特徴。交通機関が整っており電車や地下鉄をみなさん利用しますが、駅まで坂道を歩くことで自然に足腰が鍛えられているのです。

 

坂道を歩くことで、筋繊維のなかでも速くて強い力を発揮するときに動く速筋が鍛えられます。高齢者になると有酸素運動ばかり注目されますが、速筋を鍛えることで、運動に関連する物質マイオカインが放出され、脳の神経細胞を増殖させることが期待できます。また速筋を鍛えることで瞬発力が保たれ、バランスを崩しても転倒・骨折が防げ、認知症だけでなく寝たきりの予防にもなります」

 

足腰の強さが、認知症を少なくさせているのだろうか。神奈川県福祉子どもみらい局福祉部高齢福祉課の担当者が語る。

 

「県では2013年から認知症を未病改善の取り組みの一環として、国立長寿医療研究センターが開発した脳と体を同時に動かす『コグニサイズ』を地域の人たちが集まる老人クラブや“通いの場”に講師を派遣するなどして普及活動を行い、これまで延べ30万人が参加しています。全国的にも全県でコグニサイズをやっているところはあまりないでしょう。

 

また、高齢者向けの『eスポーツ』(ビデオゲームを使ったスポーツ競技)にも力を入れており、頭と体(指先)を使うだけでなく、オンラインでも社会参加できる試みをシニアの方に広げていこうとしています。

 

認知症の患者が少ない背景には県民の健康意識の高さに加えて、このような施策がうまくいっているからかもしれません」

 

認知症が多い県、少ない県を参考に、自分の生活習慣を振り返って、認知症の予防につとめよう!

 

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