桜のつぼみもどんどん膨らみを増し、いよいよ春到来。
すがすがしい春の空気を胸いっぱいに吸い込みたいところだが……。
「猫背だけでなく、スマホの使いすぎによるストレートネック、さらにはマスク習慣によって正しい呼吸ができていない人が増えています。じつは、呼吸と認知症には深い関わりがあるのです」
と言うのは『医師が教える元気脳の作り方』(自由国民社)の著者で脳神経内科医の米山公啓先生だ。
そもそも、正しい呼吸とはどのようなものなのだろうか?
「呼吸は、肺そのものが膨らんだりしぼんだりするのではありません。肺が収まっている胸郭を取り巻いている『肋間筋』や『横隔膜』と呼ばれる“呼吸筋”が動くことで、胸郭が拡張や収縮を繰り返して息を吸ったり吐いたりします。
深い呼吸をすることで肋間筋や横隔膜以外の呼吸筋のなかでもサポート役といえる『内肋間筋』や『腹直筋』などの筋肉が動き出します。
これら呼吸筋全体を動かして行うのが正しい呼吸です」(米山先生、以下同)
姿勢が悪いことで、空気の通り道である気道が塞がり、慢性的に浅い呼吸に。
呼吸筋も一部しか動かずに酸素が十分に取り込めないため、“酸欠状態”を招くことになる。