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「感情のコントロールができずに、人間関係が悪化するほど怒りを爆発させて、家族や職場の人を悩ませている人が増えています」

 

そう語るのは、ストレスケア日比谷クリニックの酒井和夫院長。感情のコントロールといえば、エリートコースを歩んだ豊田真由子議員(42)が元秘書に向かって言い放った「この、ハゲー!」などの怒声を思い出す人もいるだろう。

 

また《さあバイアグラ100ml男 船越英一郎と全面戦争、はじまりますよ》と、夫への怒りをブログにつづった松居一代(60)の姿を思い浮かべる人もいるだろう−−。

 

酒井先生が解説する。

 

「東大から厚労省官僚を経て政治家になった豊田議員は、つねに自分に対して“完璧”を求めていたのかもしれません。そんな謹厳実直な人は、ふだんは衝動性や攻撃性を抑圧しています。ところがストレスがたまりすぎると、あるとき怒りとなって爆発してしまうのです。ただ、ストレス発散の一種とはいえ、あそこまでやるとは……」

 

それでは、良妻賢母やおしどり夫婦のイメージの強かった松居の場合はどうだろう。

 

「夫に対しての不満や心配、嫉妬など、感情のコントロールを失わせるような“小さな怒り”が積み重なり、あるとき、風船が破裂するように、大きな怒りとして噴出してしまうことがあるのです。とはいえ、2人のようなケースは、決して人ごとではありません。ストレスの多い現代社会、ごく普通の人のなかからたくさんの“怒りをコントロールできない人”が生まれる可能性があるのです」

 

「日本アンガーマネジメント協会」の理事をつとめ、怒りと上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」のコンサルタントでもある戸田久実さんは、自分の“〜べき”が絶対的に正しいと思い込んで怒ってしまうと、売り言葉に買い言葉という、負の連鎖に陥ることもあるという。

 

「長年培われてきた“〜べき”という価値観は、本人にとっては、しっかりと信じ続けていいもの。ただ、年齢や経験を重ねることで、その価値観の許容範囲が狭くなってしまうことが問題なのです。その結果、つねにイライラしてしまい、周囲の人との関係が悪化する可能性も。また精神的にも安定せず、心臓疾患や高血圧症など不調の原因になるともいわれています。自分にとっての“当たり前”が他人にとっての“当たり前”とは限らない。そう思うことが、怒りと上手に付き合う第一歩なのです」

 

松居一代も豊田議員も、これまでかたくなに正しいと信じて生きてきた“価値観”を踏みにじられ、ブチ切れてしまったのかもしれない。

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