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きちんと過去を整理することが、前向きな一歩を踏み出すことにもつながる「実家の片づけ」。単に家の中をスッキリさせるだけでなく、家族の“これから”を考える貴重な機会にもなるという。

 

二人三脚で「実家の片づけ」を成功させた梅本さん親子。生前整理アドバイザー認定指導員である娘の梅本和子さん(50)と、母親の深沢智枝さん(75)。一人暮らしになった智枝さんの家を片づけ始めてもう3年!梅本さんが実家の片づけを手伝い始めたのは、実の父が亡くなった’14年のこと。

 

「自営業だった実家は仕事場も兼ねた3階建て。母1人には広すぎ、住み替えることになったのがきっかけです」(梅本さん)

 

母親の智枝さんはくぎ1本捨てられない世代。大小さまざまな「モノ」との格闘は続き、マッサージチェアから卓球台までをなんとか処分して、いまの団地に落ち着いたのは8カ月後のことだった。

 

「主人は趣味で女形踊りをやっていたので、着物やカセットなどの遺品整理に苦労しました。子どもたちには同じ思いをさせたくないと思いましたね」(智枝さん)

 

とはいえ引っ越し当初は、ご主人のスーツなど、まだまだ多くの遺品があふれていた。そんな様子を見かねた梅本さんは生前整理の資格を取得。片づけの正しい手順や、当事者との関わり方を理解したことで、片づけが一気に進んだという。

 

「でも続かないのよ、1時間もやると疲れちゃって」と智枝さんがうなだれれば、「でも進めることをやめないじゃん。いいの。いいの」とすかさずフォロー。智枝さんは、古い洋服や家電、台所にあふれていた調味料などを、徐々に手放していった。

 

「いちばん大変だったのは写真。なにせ2万枚ありましたから(笑)。何が写っているかわからないものを手放し、残りはデジタル化。そのうえで、いまはベストショットアルバムを母といっしょに作っています」(梅本さん)

 

「はじめは子どもだましだと思いましたが、飾ってみるとかわいくて……。これまでの人生も振り返ることができました」(智枝さん)

 

いつの間にかまたモノが増えてしまうリバウンドも経験したが、そのつど、片づけのリバウンドを防ぐ、次の「買い物5原則」を確認し合ったという。

 

1. 使うモノしか買わない

2. 収める場所がなかったらかわない

3. ひと目ぼれで買わない

4. 流行だから、で買わない

5. 他人との比較で買わない

 

そんな行きつ戻りつの時間こそが、じつは「実家の片づけ」の幸せなひとときなのかもしれないと、2人は笑顔で語っていた。

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