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「今年は天候不良の影響もあり、野菜の価格が急騰したり、かつお節やオリーブオイルなどの値上げも予定されていたりと、家計を物価高が直撃しています」

 

こう話すのは、節約アドバイザーの坂口孝則さん。『スッキリ!!』(日本テレビ系)のコメンテーターとしてもおなじみだ。坂口さんの専門は企業のコストカットだが、家計のコストカットも基本的な考えは同じだという。

 

(1)何にお金を使っているか、支出を“見える化”する(家庭でいえば、家計簿をつけたりするなど)。

(2)原材料などを安い価格で購入する。

(3)使っている量を減らす、使うのをやめる。

(4)節約のモチベーションを維持する。

 

一般的に節約といえば、(2)のことを思い浮かべる人も多いだろう。

 

「家計を守るため、少しでも安い商品を買おうと、皆さん頑張っていますが、頑張りすぎるあまり、『節約に疲れた』と、口にする方も多いのです。そんな方に私が勧めているのが、(3)の使っている量を減らす方法です。1回につき数円というものも多いのですが、まさにチリも積もれば山となるで、年間にすれば数万円も変わってきます。それに習慣化すれば、意外に疲れませんし、次第にゲーム感覚で楽しめるようにもなりますので、節約のモチベーションも維持することができるのです」

 

そこで、具体的なテクニックについて、坂口さんの試算をもとに水回りや家事の分野から紹介してもらった。

 

【1】使った石けんは翌朝、日光で乾燥させる

 

実は、石けんはぬれたままにしておくと、自然と溶けていってしまう。

 

「入浴などで使ったら、翌朝、日光が当たる窓辺などに置いておくこと。自然乾燥で減りが約1割削減できます」(坂口さん・以下同)

 

化粧石けんのように単価が高い商品なら、1個につき20円以上の節約になる。

 

【2】シャンプーのボトルは半プッシュで止める

 

最近のシャンプーは洗浄力が高いため、美容専門家によれば“使いすぎ”の状態にあるという。

 

「フルプッシュと半プッシュでは3対1ほど、出てくる量が違います。毎回半プッシュで使っていけば、通常より3倍長持ちするのです」

 

2カ月で1本使い切っている人なら、なんと6カ月も持つことになる。1本500円としても、3カ月で500円の節約となるのだ。

 

【3】お風呂シートを活用

 

入浴に関していえば、意外に高くついているのが追いだきだという。

 

「入っていないときに、お湯に保温シートを敷いておくだけで、家族4人家庭なら1日40円分のガス代を節約できるのです」

 

3カ月なら、なんと3,600円! お風呂シートは100円ショップなどでも売っている。ぜひ入手したいアイテムだ。

 

【4】トイレットペーパーを10センチ短く使う

 

トイレットペーパーの長さは1ロール60〜100メートル(シングル仕様)。

 

「個人差はありますが、仮に1回1メートル使うとしましょう。それを意識して10センチずつ短く使えば、60メートルのロールなら6回分多く使えます。4人家族で3カ月に9パック(54ロール)使っている家庭なら、1割分の300円ほどおトクになります」

 

【5】トイレの小は流さない

 

「小のときは水を流さないことにしている家庭もありますが、ちなみに小1回の水道代は約4円です」

 

1日10回流さなければ、3カ月で3,600円。まさにチリツモの真骨頂だ!

 

【6】納豆のタレは半分しか使わない

 

納豆2パックには当然タレも2袋入っているが、味の濃さは1袋でも十分。1袋は煮物などの料理に転用することもできるという。

 

「納豆好きな家庭なら、ほぼ液体だしを買わなくても賄えるほどです」

 

【7】お湯はガスコンロではなく電子レンジで沸かす

 

「コップ1杯分の水を沸かすのにかかるコストはガスコンロより電子レンジのほうが約1円安いのです。朝昼晩と、電子レンジを使うようにすれば、1日10円ほど節約になります」

 

3カ月で900円。

 

【8】煮込み料理なら、鍋を発泡スチロールの箱に入れる

 

「煮込むために弱火で長時間加熱が必要なときは、一度加熱してから、鍋をコンロから下ろし、中にタオルを敷いた発泡スチロールの箱に入れておくことで同じ効果が得られます」

 

弱火で20分煮たときのガス代は約2円。

 

【9】宅配便を出すときはコンビニに持ち込む

 

家に集配に来てもらうよりコンビニや営業所へ持ち込んだほうが1回100円トク。

 

「手間を惜しまないのも“チリツモ”の鉄則です」

 

【10】封書はやめて、はがきを利用する

 

「内密の要件でないかぎり、手紙ははがきにすることです」

 

6月からはがき代が値上げになったが、それでも封書より20円安いのだ。

 

「“チリツモ節約術”は慣れると、さほど大変にも感じませんし、『だんだん楽しくなってくる』という人も多いですよ」

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