「子どもや家族に迷惑をかけたくないから、将来は高齢者施設に――。そう考えている人は多いです。しかし、そのほとんどの人たちが、実際にどのくらいの総額費用がかかるのかイメージできず、不安をかかえていらっしゃいます」
こう話すのは、『介護施設&老人ホームのさがし方・選び方』の著書もある、齋藤直路さん。そこで今回、齋藤さんに数ある高齢者施設選びで、何を判断材料にすればいいかのチェックポイントを聞いた。
齋藤さんによる“よい施設の見分け方・選び方10カ条”は次のとおり。
【1】パンフレットでは決めず実際に施設見学する
【2】入口で職員からの挨拶がある
【3】個人情報の資料が他人の目につくところにない
【4】職員同士が声を掛け合っている
【5】忙しい食事時でも、入居者に目が行き届いている
【6】個室が掃除され、洗濯物がたまっていない
【7】ナースコールが鳴り続けていない
【8】入居者の退所理由を聞き、理解しておく
【9】最近1年の職員の離職率を聞く(15~16%が平均)
【10】介護・看護・リハビリ関連の有資格者が多い
まず、1のように、見学、体験入所は大前提だ。見学の際は、気持ちよく過ごせる施設なのか、2~7をチェックしておくことは重要。
「あえて忙しい食事時に見学に行くと、日常の本当の姿を見ることができます。職場の雰囲気を知るためにも、職員の服装が乱れていないか、職員同士がすれ違うとき声を掛け合っているのかをチェックしましょう」(齋藤さん・以下同)
施設スタッフから説明を受ける際は、8~10を聞くこと。
「退所理由を聞くのは、施設がどこまで面倒を見てくれるのかを確認するためです。多くは夜間に騒いでほかの入居者に迷惑をかけたり、医療的処置が必要になるなどが理由です。職員の離職率は平均して15~16%。これを大きく上回るようなら、人員不足で職員が疲弊、介護レベルが低下している可能性もあります」
後悔のないついのすみか選びには、この10カ条をお忘れなく!